【新王者アレグリア 藤沢和師に迫る1】来年2000メートル視野 天皇賞・秋で3階級制覇も

名伯楽、藤沢和調教師が能力を高く評価するグランアレグリア
名伯楽、藤沢和調教師が能力を高く評価するグランアレグリア

◆第37回マイルCS・G1(11月22日・芝1600メートル、阪神競馬場)

 今年の牡牝混合G1で6勝と強さが際立つ牝馬だが、マイルCSでは08年ブルーメンブラットの勝利を最後に連対がない。今回は5頭がエントリーし、12年ぶり6頭目の牝馬Vを狙う。連載「新王者アレグリア 藤沢和師に迫る」の第1回では、マイルCS歴代最多4勝を誇る名伯楽が、マイルG1春秋連覇が懸かるグランアレグリアへの高い評価を明かした。

 今年すでにG1を2勝して、最優秀短距離馬のタイトルをほぼ手中にしているグランアレグリア。春秋マイルG1制覇となれば、王座が決定的となるが、さらに上のレベルへのステップでもあるようだ。

 「マイルの安田記念を上手に走れていた。あと400メートル延びても走れると思う。(秋の)天皇賞はいいレースなんだ」と藤沢和調教師は来年、古馬最高峰の一戦を視野に入れている。「タイキシャトルやシンコウラブリイの2000メートルより自信あるよ」と“先輩G1馬”と比較しても互角か、それ以上といった様子なのだ。

 それは距離適性だけでなく、スケールの大きさを示唆してのこと。昨年暮れに1400メートルの阪神Cに起用。3歳ながら、古馬の一流短距離馬を相手に5馬身差の圧勝劇を演じた。「阪神Cは強い馬が勝つレース。牝馬であの着差はすごい」とトレーナーは振り返る。

 今年に入ってからは、よりスプリント色の強い高松宮記念で2着、スプリンターズSは後方一気を決めた。「1200メートルは別もの。スペシャリストが残る時代で、(普通なら善戦して)惜しかったで終わりなのにね」と想像を超えるパフォーマンスを演じた。オールラウンドの活躍ができる高い資質を備えているのだ。

 休み明けで、それだけの強烈な走りをしたあとの今回は“自分のステージ”。「1200メートルは向かない。使うところを間違えたよ」と指揮官は冗談交じりに笑ったが、「スプリンターズSを使ったから調整が楽。カイバも、いま食べなければ、いつ食べるんだというくらい食べる。この時期が一番いいね」とさらに上の走りができると見ている。時代の流れに乗って、またまた強い牝馬の姿を見せる。(春木 宏夫)

 ◆藤沢 和雄(ふじさわ・かずお)1951年9月22日、北海道出身。69歳。88年に厩舎を開業して、93年に44勝を挙げて最多勝利調教師に輝くなど、JRA通算1517勝(16日現在)。1500勝到達は史上2人目の偉業。重賞はG1・31勝を含む122勝。マイルCSは93年シンコウラブリイ、97、98年タイキシャトルでの連覇を含む歴代最多4勝。

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