◆第42回小倉2歳S・G3(9月4日、小倉・芝1200メートル)
新人の角田大河騎手(19)=栗東・石橋厩舎=が、ウメムスビに騎乗する第42回小倉2歳S・G3(9月4日、小倉)で3度目の重賞に挑む。7月のCBC賞を制した同期の今村聖奈騎手(18)=栗東・寺島厩舎=とは、重賞2度目の直接対決だ。
先を走るライバルに一歩でも追い付きたい。角田河は燃える思いを内に秘め、目の前の一鞍一鞍に向き合っている。ウメムスビと挑む小倉2歳Sは3度目の重賞挑戦。同期の今村とはCBC賞以来、2度目の直接対決だ。「自分とウメムスビの力を最大限に発揮できれば十分チャンスはあると思う」と、自身初タイトルへの闘志をにじませた。
今村とは、ともに父が元騎手の幼なじみ。競馬学校時代も成績上位を争い、切磋琢磨(せっさたくま)した間柄だ。デビュー2連勝で先に脚光を浴びたのは角田河だったが、今村はその後、CBC賞のテイエムスパーダで重賞初騎乗V。同じく初挑戦だった角田河のシホノレジーナは14着に終わった。勝ち星も新人2位の17勝をマークしているが、今村は32勝ですでにG1騎乗資格を獲得。地方交流(角田河2勝、今村4勝)を含めると約2倍の差がある。
「自分に何かが足りないからこれだけ差も開く。聖奈が結果を出し続けているのはすごいことだと思いますし、僕も負けじと頑張りたいと思う」。親しい仲だからこそ悔しさも募るが、負けん気は失っていない。
ウメムスビとはデビューからコンビを組み今回が4走目。この日も栗東・坂路でのキャンターにまたがり、「厩舎の方がケアしてくれて元気いっぱいでした」と目を細めた。31日の最終追い切りも手綱を執り、さらに相棒との呼吸を合わせる予定だ。
逃げた前走のフェニックス賞は直線で脚いろが鈍り4着。今村が今回もコンビを組むミカッテヨンデイイに差し切られており、人馬ともにリベンジがかかる。「頭数が多くて逃げ馬が多いのはレースがしやすい。逃げないといけない馬じゃないので、力まずにいければ」。初タイトルを射止め、夏の小倉を笑顔で締めくくる。(戸田 和彦)
◆角田 大河(つのだ・たいが)2003年5月21日、滋賀県生まれ。19歳。栗東・石橋守厩舎所属。今年3月5日に阪神でデビューし、1、2Rでいきなり連続勝利。父は騎手時代にG110勝をマークした晃一調教師で、兄・大和も騎手。165センチ、46.7キロ。