社台ファームの夢広げてくれたスターズオンアースの祖母スタセリタ 吉田照哉代表「神様みたいな馬」

スターズオンアース
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◆第27回秋華賞・G1(10月16日、阪神競馬場・芝2000メートル)

 社台ファームの夢を託して12年に導入されたのが、スターズオンアースの祖母スタセリタだ。「こんないい馬が日本にくるとは思わなかった」。社台ファームの吉田照哉代表が手放しで喜ぶその世界的な血は、近年、ノーザンファームに押されている現状を打破する一手だったのは、想像に難くない。

 吉田代表が、おもむろに取り出したタブレットの画面に映し出された品のある雄大な馬体、しなやかな体つき。もちろん、見た目だけではない。現役時代、仏オークス、ヴェルメイユ賞などG1・6勝を挙げた世界的な名牝。命運を託すには十分な資質を備えている。

 現在、英国でけい養されており、10月2日に凱旋門賞が行われたフランスに入る前に足を運び、久しぶりに対面してきたという。「硬いところがない。ゴツイのに可動域が広いし、関節がゆったりとできている。こんな馬はいないよ。神様みたいな馬。今、おなかに(G1・5勝の仏2冠馬)セントマークスバシリカの子がいるんだ」と吉田代表は、同ファームの“至宝”とも言える名牝に心底ほれ込んでいる。

 思いはすでに結果に現れている。2番子ソウルスターリング(父フランケル)が、17年のオークス・G1を勝ち、その下のシェーングランツも18年アルテミスS・G3を制覇した。さらに、初子のサザンスターズから生まれたスターズオンアースが、牝馬2冠を制したことで、牝系は日本に徐々に広がりをみせている。

 成長力に富む血統背景から、3冠達成の先の将来さえ見えてくる。吉田代表は「距離が延びていいのはスタセリタの血でしょう。いいところを受け継いでいる。3冠となれば、次は海外に挑戦するのが夢。血統も欧州血統だし、期待できると思う」。社台ファーム初の3冠が、新たなムーブメントを起こしていくことは間違いない。(特別取材班)

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