◆第83回菊花賞・G1(10月23日、阪神・芝3000メートル)
日本ダービー以来の実戦となったアスクビクターモアのセントライト記念は、負けて強しの内容だった。外めの3番手追走から終始前を射程圏に入れ、あとはいつ抜け出すかだけ―。かと思われたが、最後の直線ではその背後で息を潜め、勝機をうかがったガイアフォースとの激しいマッチレースに。一度は完全に前に出られ、万事休すかと思いきや、また差し返すなど勝負根性を発揮。結局、頭差競り負けたが、これは1番人気の宿命ともいえる結果だ。4か月ぶりを考えれば上々の始動戦だったと言える。
1、2着の走破時計は2分11秒8(稍重)。これは翌週の古馬G2・オールカマー(良)の勝ち時計を0秒9しのぐ優秀なものだった。田村調教師は「馬場が違うとは言え、オールカマーとは1週間しか差はないからね。時計を見るとうちの馬でも一線級の馬と互角に戦えるのがわかった」と能力を再認識したようだ。
もっとも、勝ったガイアフォースの力も疑いようがない。3着馬は、アスクビクターモアから3馬身も離れており、上位2頭が頭一つ抜けていたトライアルだと言えるだろう。(石行 佑介)