◆第166回天皇賞(秋)・G1(10月30日、東京競馬場・芝2000メートル)
G1馬5頭が顔をそろえた古馬の中距離王決定戦だが、注目したいノンタイトルホースがいる。春のクラシック2冠でともに4着に敗れたダノンベルーガは、過去3年の東京・芝2000メートルでずば抜けた結果を残している堀厩舎の所属馬だ。
出走回数が20頭以上の厩舎で勝利数トップは国枝厩舎の13勝だが、11勝で2位につける堀厩舎はかなりの高打率を誇っている。出走頭数は36頭で【11・10・2・13】。勝率30・6%、連対率58・3%、複勝率63・9%は他を圧倒している。171%を誇る単勝回収値を見ても、馬券的に妙味がありそうなデータである。
これだけ特筆した数字を残しているのは、厩舎の調教スタイルや馬の仕入れなども無関係ではないかもしれないが、11勝の内訳はデビュー戦を快勝したダノンベルーガを含む10頭と偏っていない点も見逃せない。しかも、過去の所属馬ではマイル路線を歩んでいたモーリスが、当時は不安視されていた距離延長で17年に勝利をつかんだ舞台でもある。
ダノンベルーガにとってはデビュー戦以来の舞台。キャリア2戦目の共同通信杯では、のちの皐月賞馬ジオグリフを倒しているが、続く皐月賞では馬場の荒れた最内枠が大きく影響した。日本ダービーも勝ち馬から0秒4差と大きく負けていないが、馬体重が10キロ減で仕上げすぎた感もある。クラシックでは脇役に甘んじたが、厩舎が最も得意とする舞台なら馬券の軸として考えてみたい。