悲願のG1制覇へ 宮本調教師が十数年欠かさず続けるルーチンとは

宮本調教師
宮本調教師

 3週間前の菊花賞。当週の月曜日から栗東で取材していた記者に、宮本博調教師=栗東=が興味深いことを教えてくれた。勝負の世界では、競技に関係なく験を担ぐ人は多いが、トレーナーもそのひとり。毎週のように神社に参拝しているという話だった。

 通うのは京都市内にある御金(みかね)神社。その名の通り、金運上昇など「お金」にまつわる祈願のため、全国各地からの参拝者が後を絶たないという。宮本師も夫人の知人に勧められて十数年前に足を運んでから「結果が出るようになった」と成績が良化。それ以降、勝負レース前の参拝や、自厩舎から勝ち馬が出た翌週のお礼参りを、欠かさないという。

 参拝すると必ず金色の鳥居を撮影。携帯電話に保存してあるアングルの違う鳥居の写真を何枚も見せてくれたが、その際、人気レゲエグループ「湘南乃風」のSHOCK EYEが白蛇を巻いている写真の待ち受け画面もチラリと見えた。記者もSHOCK EYEがテレビ番組で「歩くパワースポット」と紹介されるのを見た記憶があるが、ここまで験担ぎを徹底していると“本物”だ。

 菊花賞はボルドグフーシュとフェーングロッテンの2頭出し。ボルドグフーシュはメンバー最速の36秒3の脚で追い込んだが、アスクビクターモアにわずかに鼻差及ばなかった。宮本師にとっては17年菊花賞のクリンチャーに続いてG1で2度目の2着で、悲願のビッグタイトルはまたもお預けとなった。

 トレーナーが御金神社に奉納した絵馬には、菊花賞の2頭とともに、ロンドンプランの朝日杯FS制覇の願いもしたためられている。先週の京王杯2歳Sは14着に大敗してしまったが、12月のG1に出走してくれば、大きく出遅れつつも最後方から差し切った小倉2歳Sの内容からして、能力は引けを取らないはずだ。ちなみに記者は菊花賞で別の馬に本命を打って大敗。おそらく罰が当たったんだろう。信じるものは救われる―。再開するG1シリーズを前に、この言葉を肝に銘じておく。(中央競馬担当・戸田 和彦)

 ※コラム掲載後、ロンドンプランは骨折したことが判明しました。

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