◆香港カップ・G1(11日、シャティン競馬場)
香港の地元紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」電子版は10日、メインの香港カップに出走する日本の逃げ馬2頭に注目する記事を掲載。「藤岡健一調教師の”特別な戦術”が、記録的なペースの一因になるか」との見出しでレースの行方を占った。
同紙によれば、今年の香港カップ優勝馬は「シャティン・2000メートルのコースレコードを破るかもしれない」と指摘。パンサラッサとジャックドールの日本馬2頭に加え、速いペースを好む香港馬が多数参戦しているため、ウインブライトが2019年のクイーンエリザベス2世Cを制した際に出した1分58秒81というタイムを上回るかもしれないと見解を示している。
それは、「パンサラッサの矢作芳人調教師とジャックドールの藤岡健一調教師は1週間を通して心理戦を繰り広げてきた」と指摘する背景も無関係ではない。早い時期から矢作調教師はパンサラッサの逃げを宣言していたが、金曜日に行われた記者会見では、ジャックドールの藤岡調教師が「みんなはパンサラッサが主導権を握ると思っているようですが、僕は特別な戦術を考えています」と語ったことで、より地元メディアの注目を浴びることになったようだ。
しかし、同紙は「パンサラッサは優秀だが、一本調子」との見立てで、2頭による競り合い次第では「より慎重に騎乗するステイヤー」が台頭する可能性を指摘。このようなシナリオで浮上するのが、マクドナルド騎手とコンビを組む地元のロマンチックウォリアーになるかもしれないという見解だ。果たして日本勢がカップ4連覇を飾るのか、それとも目下3連勝と勢いに乗る香港のトップホースに軍配が上がるのか。