◆有馬記念1週前追い切り(14日、美浦トレセン)
さあ、来週はいよいよグランプリ! 第67回有馬記念は25日、中山競馬場の芝2500メートルで行われる。14日はその1週前追い切りが東西トレセンで行われ、昨年の年度代表馬で今年未勝利のエフフォーリア(牡4歳、美浦・鹿戸厩舎)が復活のきっかけをつかむ好調教を披露した。天皇賞・秋を制したイクイノックス(牡3歳、美浦・木村厩舎)も順調。年末の大一番へ、各陣営のムードも盛り上がってきた。
昨年の年度代表馬のプライドを取り戻す一戦へ、美浦・Wコースへ登場したエフフォーリアは横山武が騎乗。前走の宝塚記念時の最終追い切りと同様、3頭併せの真ん中に入る形で行われた。外のシーウィザード(2歳オープン)を3馬身追走、内のルッジェーロ(7歳オープン)を5馬身半先行してスタート。集中力を保ったまま最後の直線に向くと、両側からのプレッシャーにも動じずスムーズに加速しラスト1ハロンは11秒4をマーク。全体も6ハロン83秒4でまとめて内に1馬身、外に半馬身先着した。
久々の相棒とのコンタクトに主戦は「大きく変わったとは言えませんが、さすがG1馬という動きでしたし春よりは間違いなく良くなっていると思います」と、少なくとも大阪杯、宝塚記念と完敗した2戦以上の感触をつかんだ。続けて「手前を替えるのがうまくないんですが、不器用な替え方でも一発で替えてくれました。小さいことですが、替えてくれたというのは大きなアクションです」と、満足そうな表情も浮かべた。
前走の宝塚記念では、最終追い切りに加え、レースでもブリンカー装着。行きっぷりに変化はあったものの、6着と結果を残すことができなかった。この日の攻め馬ではこの馬具を外して臨んだ。「昨年のいい時を求めるのではなくてこれが今のエフフォーリアなんだと思います」と鞍上。3歳時のような前進気勢はなくても、4歳秋を迎え精神的にも成長したパートナーの姿を受け入れ、本番も着用しないことを示唆した。
半年間の充電期間中には放牧先の福島県・ノーザンファーム天栄へと足を運び相棒の様子を気にかけてきた。「馬体がひと回り大きくなった印象。肉体はかなり完成された馬でしたし、この成長がいい方向に行ってくれれば」。確かな手応えとともに逆襲に出る。(石行 佑介)