2022年度のJRA賞が10日、発表され、天皇賞・秋と有馬記念でG12勝を挙げたイクイノックス(牡3歳、美浦・木村厩舎)が97・9%の圧倒的な得票率を獲得して年度代表馬に選ばれた。3歳馬の受賞は2年連続。授賞式は30日に都内で受賞関係者のみで行われる。(年齢はすべて22年時点の表記)
偉大な父に一歩近づいた。イクイノックスは総投票数288票のうち、97・9%にあたる282票を獲得。ライバルとみられていたG1勝利数が同じ2勝のタイトルホルダーとは、有馬記念での直接対決の結果が票数(2位6票)の差となって表れ、16、17年に2年連続で年度代表馬に輝いた父キタサンブラックとの3組目(JRA賞となった1987年以降でディープインパクト―ジェンティルドンナ、ロードカナロア―アーモンドアイ)となる親子受賞の栄誉を手にした。
22年は皐月賞が0秒1差、日本ダービーは首差で連続2着。世代の頂点にわずかに届かなかったが、春シーズンの鬱憤(うっぷん)を晴らすように天皇賞・秋では上がり最速32秒7という豪脚で古馬をまとめて差し切ると、暮れのグランプリでも1番人気に応えて快勝。22年はすべてG1を走って4戦2勝、2着2回という安定した成績が、昨年のエフフォーリア(得票率93・6%)を上回る文句なしの受賞につながった。
管理する木村哲也調教師(50)=美浦=にとっては、4日に発表された関東優秀厩舎賞1位に続く、年度代表馬と最優秀3歳牡馬のダブル受賞。「このたびは年度代表馬という名誉ある賞をいただけて光栄です。これもひとえに馬主、厩舎スタッフをはじめ関係者の皆様に支えていただき、またファンの皆様に背中を押していただき受賞することができたものと思います」と感謝を述べた。
22年の頂点に立ったが、4歳の今年はさらなる飛躍が期待される。主戦のルメールは「昨年一年間でだんだんと良くなり、特に秋からは大人になって素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。今年もすごく楽しみです」と声を弾ませた。次走は未定だが陣営は海外挑戦を見据えており、23年は日本一から世界一を目指す戦いが幕を開ける。(西山 智昭)
◆イクイノックス 父キタサンブラック、母シャトーブランシュ(父キングヘイロー)。美浦・木村哲也厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算6戦4勝。総獲得賞金は8億660万2000円。22年の勝ち鞍は天皇賞・秋・G1、有馬記念・G1。馬主は(有)シルクレーシング。