【東海S】燃えよドラゴン!叩き上げの血クリノドラゴン、父アスカクリチャンに初のJRA重賞贈る

東海SでJRA重賞初制覇を狙うクリノドラゴン
東海SでJRA重賞初制覇を狙うクリノドラゴン

◆第40回東海S・G2(1月22日、中京競馬場・ダート1800メートル)

 昨年末に浦和記念・交流G2で重賞初制覇を果たしたクリノドラゴンは、『クリノ』の冠名の栗本博晴オーナーのプライベート配合。重賞連勝がかかる東海S・G2(22日、中京)で狙うのは、父アスカクリチャンの産駒JRA重賞初勝利だ。派手さはなく、徐々に力をつけた叩き上げの血はまさに父譲り。生産、育成を担当した賀張宝寄山(かばりほうきやま)育成牧場代表取締役の宝寄山拓樹さん(33)が、北海道から力強いエールを送った。

 父にもう一つの勲章を贈る。アスカクリチャン産駒のクリノドラゴンは自身、両親いずれも栗本博晴オーナーの所有馬。同馬を生産し、北海道日高町に生産、育成の拠点を構える宝寄山拓樹さんは「オーナーに目をかけていただいて、うれしいですね」と喜びを語る。

 ロージズインメイ産駒でJRA1勝の母クリノクレオパトラの生産地は別だが、16年から繁殖預託の形で管理。さらに、父は育成期を賀張宝寄山育成牧場で過ごした。「オーナーの馬は初年度はアスカクリチャンをつける傾向があり、その例にならいました」。ともに牧場に縁があり、同じ所有者の2頭から生まれたのがクリノドラゴンだった。

 初子のため幼少期は線が細く、宝寄山さんは「オーナーが『キリンみたいな馬』と言ったのが今でも忘れられない」と振り返る。しかし、その後の成長曲線は抜きんでていた。「大きさも幅も出て、1歳の中では特段あか抜けていました。馬ってこんなに変わってくるんだというぐらい」と目を見張るほどだった。

 デビュー9戦目で初勝利。11戦目で勝ち上がった父を引き合いに、宝寄山さんは「変なところまで引き継いじゃったな(笑い)」。以降も地道に歩を進め、前走で交流重賞初V。1964年に祖父の代から始めた牧場にとっても、生産馬で初の重賞制覇だった。

 今回も、全5勝の手綱を執り、JRA通算4400勝まであと「2」の武豊とコンビ継続で挑む。「まず無事に走ってきてほしい。今度は、中央で何とかもう一つ勝ってもらえればな」。ふるさとからのエールも支えに、2つ目のタイトルを手にする。(水納 愛美)

 《アスカクリチャンあらかると》

 ◆生まれ 2007年に北海道新冠町のつつみ牧場で生まれる。現在16歳。同期のダービー馬はエイシンフラッシュ。

 ◆血統 父スターリングローズ、母ローレルワルツ(父ダイナレター)。父、母の父ともに主戦場はダートだった。

 ◆競走成績 栗東・須貝尚介厩舎から09年9月に小倉でデビュー(3着)。通算成績は46戦7勝。重賞は12年七夕賞、13年アルゼンチン共和国杯の2勝。13年には香港ヴァーズにも挑戦(7着)した。

 ◆総獲得賞金 2億4499万8000円。栗本博晴オーナーが08年北海道オータムセールで落札した200万円の約120倍を稼ぎ出した。

 ◆種牡馬成績 16年に種牡馬入り後の種付け頭数は22年までの7年で56頭。JRAでは15頭がデビューして勝ち上がったのはクリノドラゴンとクリノザウルス(5歳1勝クラス)の2頭。

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