◆根岸S追い切り(24日、栗東トレセン)
全国的に10年に一度クラスとされる寒波への警戒が高まるなか、第37回根岸S・G3(29日、東京)に出走するセキフウが24日、異例の火曜追いを敢行した。天候による想定外のトラブルを避けるためで「いい状態でした」と陣営は手応え。
JRA重賞初制覇へ万全を期した。今日25日の積雪予報を感じさせない、穏やかな空模様だったこの日の栗東。セキフウ陣営は迷わず“前倒し”で最終追い切りを坂路で行った。馬なりで53秒8―12秒3。パワフルなフットワークで駆け上がった。「雪予報もありますし、追い切りがずれ込むと、ここまで順調なのがパーになってしまう。(馬場が)いい状態の時にやろうと思って、今日やりました」と南井助手は意図を明かした。
課題の気性面を考慮しての処置だ。昨年のサウジダービー、ユニコーンSで2着。国内外重賞で好走し能力を示した一方、2走前の武蔵野Sでは自らレースをやめるような面を見せ12着と大敗。追い切りなどで気分を害すると、レースに悪影響を及ぼすため、陣営はこの中間、馬なり主体で調整。ため込んだエネルギーをレースで爆発できるよう慎重に進めてきた。急きょ追い切ったのも“アクシデント”で、ここまでつくり上げたリズムを壊さないため。「動きは良かった。いい状態で臨めそうです」と同助手もうなずいた。
ブリンカーを初めて着用した前走のすばるSでは、58キロを背負いながら上がり最速36秒6の脚で追い上げ3着。「手前を替えていれば、もっと際どかったと思います」と同助手。前進の余地を残すうえに、乗り慣れたMデムーロとのコンビに戻るのもプラス材料。斤量も前走から2キロ減なら、自慢の切れ味も増すはずだ。世界でも示した能力をフルに発揮し、初タイトルをつかみ取る。(戸田 和彦)
○…この日の栗東トレセンは、午前中は太陽の光が差すなど穏やかだったが、徐々に気温が下がるとともに天候も悪化。降雪は午後3時30分ごろから激しさを増し、建物の屋根などが真っ白に染まった。25日朝にかけて積雪が予想されており、午前7時からの調教開始が遅れたり、午後追いになる可能性もある。