2022年度JRA賞の授賞式が30日、東京都内で3年ぶりに開催され、最優秀3歳牝馬スターズオンアースの陣営が、今秋の凱旋門賞・仏G1(10月1日、パリロンシャン競馬場)挑戦プランを表明した。タイトルホルダー、ジェラルディーナも参戦する方向の大阪杯(4月2日、阪神)から、世界の頂点を目指して始動する。年度代表馬イクイノックスの陣営は、ドバイ・シーマクラシック(3月25日、メイダン競馬場)への参戦を正式発表した。
スターズオンアースに凱旋門賞挑戦プランが浮上した。桜花賞、オークスを制し、秋華賞も3着に好走したドゥラメンテ産駒。4歳を迎えた23年は一段の飛躍が期待される。馬主の社台レースホース・吉田哲哉代表は香港などへの海外遠征の可能性を口にしたうえで、「もちろんヨーロッパにも行ってみる価値はあると思います。(凱旋門賞も)候補には入ってきます」と、登録の方向で考えていることを明言した。
年明けの始動戦は、すでに大阪杯に決まっている。昨年の牝馬3冠路線では芝のマイルから2400メートルまで幅広い条件で活躍したが、同代表は「距離に関しては1600メートルはどうかなというのはありますし、春の香港(クイーンエリザベス2世C)や秋の大きいレースなど、2000メートル前後でと考えています」と説明。「大阪杯の結果を見て、成長がうかがえて、肉体的な弱いところが解消しているようなら、海外遠征も考えていきたい」と続けた。世界最高峰の舞台に挑むことになれば、牝馬では日本調教馬4頭目だ。
血統的には十分な裏付けもある。祖母スタセリタは09年の仏オークス、ヴェルメイユ賞などG1・6勝を挙げた欧州血統で、叔母には17年のオークス馬ソウルスターリングがいる。「重厚かと思ったら、桜花賞で素晴らしい末脚を見せてくれて、スピードに裏打ちされているところもある。今後も様々な場面で活躍してくれると期待している」と同代表。春の結果次第だが、夢は果てしなく広がる。(坂本 達洋)