【フェブラリーS】距離克服がカギのレッドルゼル、4週連続CWコースでスタミナ強化

CWコースでしまい重点に力強く伸びたレッドルゼル
CWコースでしまい重点に力強く伸びたレッドルゼル

◆フェブラリーS追い切り(15日、栗東トレセン)

 今年のG1開幕戦、第40回フェブラリーS・G1(19日、東京)の最終追い切りが15日、東西トレセンで行われた。3度目の挑戦になるレッドルゼルはマイルへの距離対策として、CWコース中心に追い切りを重ねるなど、昨年とは違う調整過程を戸田和彦記者が「見た」で分析する。

 名門厩舎の勝負手が実るか。“3度目の正直”で勝利を目指すレッドルゼルにとって、大きなカギはマイルの克服だ。この日の栗東・CWコースでの最終追い切り。序盤ゆったりと入り、ラスト2ハロンで軽くうながされると11秒8―11秒4と鋭く伸びた。動き自体は上々。ただ、このコースで追ったことこそが今回の秘策で、大きな意味を持つ。

 調整過程を見れば、昨年との違いは一目瞭然だ。昨年のフェブラリーSは、レース当週まで4週続けて坂路で追われたのに対し、今年はすべてCWコース。「1400メートルがベスト」。安田隆調教師は、そう認めたうえで「あと200メートルをどう克服するか。息をもたせる意味でもコース追いにしています」と言葉を続けた。全9勝を1400メートル以下でマーク。距離の壁を打ち破るべく、4ハロンの坂路ではなく、長い距離を乗れるCWコースで心肺機能を高めスタミナ強化に努めてきた。

 過去2年は、天気に泣かされてきた面もある。昨年6着は雨の重馬場で、パワータイプにとっては不向きなスピード決着。一昨年はレース当日が20度を超える2月とは思えない陽気で、寒い時期を得意としているルゼルに厳しかったうえ、大外の16番枠もこたえた4着だった。「ともにアドバンテージがなかったですね」と担当の田港厩務員も悔しそうに振り返る。

 安田隆師は11年のトランセンド、13年のグレープブランデーで過去2勝をマーク。3勝目を挙げれば、G1に昇格した1997年以降で、村山調教師の持つ最多記録に並ぶ。今回の調教スタイル変更が“スパイス”になれば実現は可能だ。(戸田 和彦)

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