21年の年度代表馬エフフォーリアがターフを去った。4、5歳シーズンこそ勝利できなかったものの、3歳シーズンは皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念Vと文句なしの強さを披露。歴史に名を刻むにふさわしいパフォーマンスだった。
そのエフフォーリアとの直接対決こそなかったものの、勝るとも劣らないポテンシャルがあるのではと感じさせたのが、同世代のソーヴァリアントだ。重賞初挑戦となった21年の報知杯弥生賞ディープインパクト記念。タイトルホルダー、シュネルマイスター、ダノンザキッドと、そうそうたる3頭に続く4着に健闘した。中団でしっかりと折り合い、最速タイの末脚を繰り出して、互角以上に渡り合った姿にキラリと光るものがあった。
その4戦後のチャレンジCで待望の重賞初タイトルを手にしたものの、骨折が判明。これからという時に最悪のアクシデントに見舞われ、ショックを受けたことを思い出す。さらに10か月の休養を挟んだ始動戦の昨年オールカマーは心房細動を発症して大差負け。大事には至らなかったものの、またも肝を冷やした。くしくもエフフォーリアは京都記念で発症した心房細動の影響が引退の引き金となっただけに、不思議な感覚にとらわれる。
そして前走のチャレンジCを勝って連覇を達成。G1取りへと向かう大事な今年初戦が、26日の中山記念だ。私も年始のコラムで昨年、今年と注目馬に取り上げており、今週末へ向けて期待感は増すばかり。16日の1週前追い切り後の大竹調教師の感触も上々だった。エフフォーリアの種牡馬としての活躍も楽しみだが、今年のソーヴァリアントがどれだけ輝くのか、楽しみでならない。(石行 佑介)