◆中山記念追い切り(22日、美浦トレセン)
今週末2重賞の追い切りが22日、東西トレセンで行われ、抜群の動きを披露した中山記念(26日、中山)に出走するソーヴァリアントを松井中央記者が「見た」。
馬なりでWコースの3頭併せ。ソーヴァリアントは楽な手応えのまま、4角で前を行く2頭を射程圏に捉えた。直線は迫力満点の加速力で1馬身半先着。時計はラスト1ハロン11秒2(6ハロン84秒3)。初めて生で同馬の追い切りを見て雄大なフットワークから錯覚してしまったが、いやいや、見た目以上に時計が出ている。
大竹調教師は「前に馬を置いたシチュエーションでどういう動きをするか確認しましたが、メリハリが利いて動きは良かったですね」と話したが、メリハリどころではない。追えばさらにどれだけ伸びるのか、底知れない力強さを感じた。
2馬身間隔の最後方から追走し、ゆったりした入りでも気負う面は見せず折り合いもスムーズ。大竹師の「気持ちの面も必要以上に盛り上がることなく、年齢を重ねてドッシリしてきた」という言葉を聞くと、ストライドの大きなフットワークが大人の風格に見えてくる。報知杯弥生賞(4着)以来、約2年ぶりの中山内回り出走も、スムーズに最内に進路を取ったコーナリングのうまさから、全く不安は感じられない。
2走前のオールカマーではレース中に心房細動を発症。13着に終わったが「あの時もフィジカル面は良かったが、骨折で長期休養明けもあり、メンタルの部分が合致していなかった。今は両方のバランスがいいところにきている」とトレーナー。21、22年と連覇したチャレンジC後のルメールに「G1でもチャンスがある」と2度も言わしめた逸材。5歳となり心身の充実期を迎えた今、強豪相手に力を見せつける。(松井 中央)