◆報知杯フィリーズレビュー追い切り(8日、栗東トレセン)
桜花賞トライアルの第57回報知杯フィリーズレビュー・G2(12日、阪神=3着まで優先出走権)の追い切りが8日、東西トレセンで行われた。出走予定馬で2頭しかいない重賞ホースのうちの1頭、ブトンドールは栗東・CWコースでの最終追い切り。前走までの坂路から切り替えた陣営の選択を、玉木宏征記者が「見た」。
重賞ホースの一角、ブトンドールがレース当週の追い切り場所を切り替えてきた。ここ2戦の最終調整は栗東・坂路で行われたが、今回はCWコースを単走、馬なりで6ハロン84秒4―11秒6。池添調教師は「パターンを変えて、気分良く走らせました。時計は遅くなりましたが、しまいは手綱を緩めながらで、(追えば)2段階ぐらいギアが上がりそうですね」と合格点を与えた。
トラックコースと比べ、走路が短い坂路で負荷をかけるにはどうしても速い時計が求められ、ひと息で走ってしまいがちだ。初めてのマイル戦だった前走の阪神JFで10着に敗れ、ベストは1200~1400メートルと思える現状。とはいえ、「生涯で一度きりですからね」(池添師)と桜花賞にチャレンジしたい陣営にとっては、折り合いの練習をさせるためもあってのコース追い。その選択に、なるほどと思わされた次第だ。
1日の1週前追い切りは主戦の鮫島駿が騎乗し、CWコースで6ハロン83秒8―13秒1。昨年は同コースで3度だけ速い時計を出しているが、ラストは11秒4、10秒9、11秒3と切れていただけに、13秒も要したのはオヤッと思った。トレーナーも「アクシデントでもあったのかなと思いました」と心配したが、鮫島駿は「オーバーワークを避けただけで、1週前としては申し分ないです」と確かな手応えを感じていた。今回と同舞台のG3(ファンタジーS)で2着だった2走前を見ても、阪神内回りの1400メートルなら好勝負になるだろう。コース追いのスパイスが加われば、突き抜けるシーンも考えられる。しっかりためが利いて、改めてマイルG1に向かえるのか。内容が問われる一戦になる。(玉木 宏征)