こんにちは。細々と更新している海外セール版ブログです。今回は4月25~28日に開催された米国OBSのスプリングセールについて触れていきましょう。
同じOBS社のマーチセールよりインパクトが少し薄い感じもするんですが、昨年のセール出身馬で目立った活躍を見せるのは中内田調教師が82万5千ドルで落札したグレートサンドシー。3月の昇竜Sを快勝したのは記憶に新しい。少し遡れば、17年ミスターメロディ(40万ドル)、14年ダッシングブレイズ(40万ドル)、13年エイシンブルズアイ(17万ドル)、12年ベストウォーリア(40万ドル)などG1馬を含む重賞ホースを送り出してきたセールなのは見逃せないでしょうか。
今年のトッププライスは220万ドルで落札されたガンランナー産駒。購入者はサウジアラビアの富豪が指揮を執るゼダン・レーシング・ステーブルスの代理人でした。いつかサウジCあたりに出てきそうな感じも…。
日本人関連の購買者はいつもより高い買い物をしているわけではないですが、最高額は中内田調教師名義で落札されたAfdhaadの21(牡、父ナイトオブサンダー)の30万ドル(約4000万円)。いくらダートとはいえ、昨年もグレートサンドシーを見出した相馬眼は無視できないんですが、産駒からハイフィールドプリンセスなんてG1馬も出てきているドバウィ系は日本の芝でもフィットしそうな感じがしないでもない。中内田師が落札したもう1頭のBe Fairの21(牡、父ガンランナー)は、半姉がG1馬のアンドテルミーノーライズ。ケンタッキーダービーもPOGルールに含まれているグループなら選択肢のひとつになるかも。
個人的に注目しているのカナヤマホールディングスが落札したRaging Atlanticの21(牡、父アーミーミュール)でしょうか。APインディ系の父は3戦無敗で引退。何といっても、その中身がダート7ハロンのG1を含め、いずれも大差勝ちだっただけにもう少し現役生活を見てみたかったような気も。母系どうのこうのより、とにかく底知れぬ魅力を感じる産駒であることは確か。セール前のトラックでは1ハロン9秒4をマークしていますし、夏からバリバリ動いてくれそうな即戦力のイメージです。アーミーミュールの父が無名だっただけに突然変異かもしれませんが、すでにダンスマカブルという重賞ウィナーも出ていますので産駒の動向は注視しておきたいですね。
<2023OBSスプリングセール、日本人関連の主な落札馬>※父×母=購買者(落札額=単位ドル)の順
Night of Thunder × Afdhaad = Mitsu Nakauchida(300,000)
Army Mule × Raging Atlantic = Kanayama Holdings Co., Ltd.(290,000)
Practical Joke × Crescent Moon = Big Red Farm(260,000)
Gun Runner × Be Fair = Mitsu Nakauchida(200,000)
Omaha Beach × Reggae Rose = J S Company Ltd.(200,000)
Kantharos × Indigo Gin = Koichiro Yamaguchi(80,000)
Palace Malice × Noble Ready = Okada Stud(70,000)
Mor Spirit × Holy Wow = Okada Stud(60,000)
Catholic Boy × Gold N Shaft = Lex, Inc.(60,000)
Malibu Moon × Ginza = Makoto Kato(50,000)
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