4月19日に開幕したホッカイドウ競馬は、最初の開催4日間の売上総額が32億3583万6720円と好調な滑り出しを切った。先週は南関東が浦和競馬だったこともあって単独ナイター開催となり、2日間とも10億円を超えた。さらにSPAT4で発売しているトリプル馬単が、開幕週の2日間ともキャリーオーバーとなったことも後押し。3月までの他主催者の動向からは上げ止まり感が強かっただけに、計画比140・57%、前年比151・64%と大幅に上回る数字に、関係者もホッとしている。
YouTubeによるライブ配信が本格的に始まったことも大きい。2歳戦が番組の主力となるホッカイドウ競馬だけに、新馬戦の坂路調教解説も同時進行で配信。02年から能力検査の動画をいち早く提供するなど、2歳戦に関する情報提供は他地区より様々な点でスピーディだった。通常のテレビでもYouTubeを見られる時代となっただけに、他主催者に遅れをとったとはいえ、良い所を見習いつつ、他にないコンテンツを活かす形で好調を続けて欲しい。
ゴールデンウィークは3、4日の2日間開催。4日には三冠第1弾の北斗盃が組まれている。昨年のJBC2歳優駿で2着に健闘したベルピット(牡3歳、北海道・角川秀厩舎)が出走予定だが、開幕週には8馬身差の圧勝とさらなる成長を見せた。21年ラッキードリーム以来となる三冠を目指し、最初にして最も難所とされる内回りのマイル戦に挑む。
3日には、新種牡馬産駒限定のフレッシュチャレンジ(新馬)が5Rに組まれている。JRAの2歳戦を前に、新種牡馬の動向は関係者も大いに気になるところ。馬産地に立脚したホッカイドウ競馬ならではの新機軸で、注目度も高い。出走するのは19年日本ダービー馬のロジャーバローズ、米クラシック2冠やドバイ・ワールドCなどG1計7勝のカリフォルニアクローム、17年皐月賞と19年大阪杯を制したアルアイン、16年フェブラリーSをレコード勝ちしたモーニン、18年NAR年度代表馬のキタサンミカヅキ、17年ジャパンC優勝のシュヴァルグラン、16年朝日杯FS優勝のサトノアレス、そしてわずか2戦の戦歴ながら血統背景で種牡馬となったユアーズトゥルーリの産駒だ。
個人的には、ロジャーバローズ産駒のレディースデイ(牝2歳、北海道・田中淳厩舎)に期待している。能検では3コーナーで外に膨れてしまうロスがありながら、2着まで盛り返した内容が評価できる。4月30日の坂路で同日の一番時計となる3ハロン35秒3をマークし、初戦に懸ける意気込みも感じる。モーニン産駒のパレスレガシー、キタサンミカヅキ産駒のキタサンヒコボシは、能検で逃げて1着となっているスピードが魅力だ。(競馬ライター)