【NHKマイルカップ】前哨戦であるファルコンS、アーリントンCが重馬場で行われ、ニュージーランドTも稍重。週初めの土曜から日曜の雨予報は現状後ろ倒し気味で、傘の出番はGW明けの月曜までずれ込みそうだ。中心馬不在、混迷の3歳マイル王決定戦。馬場状態も、能力も定まりきらないキャリアの浅い若馬たちの戦いは減点法よりも、ストロングポイント優先の加点法で評価してみる。
世代随一のポテンシャルを誇るカルロヴェローチェが本命。昨年の宝塚記念当日の阪神新馬(芝1800メートル)で後続に2馬身差をつけデビューV。この一戦はその後1~6、8、10着馬が勝ち上がる超ハイレベル戦で、2着にアイビーS優勝チャンスザローゼス、5着がホープフルS勝ち馬ドゥラエレーデ、6着にケンタッキーダービーに挑むデルマソトガケという強力すぎるメンバーが含まれていた。
しかし、単勝1・5倍を背負った続く野路菊Sでしんがり負け。ルメール騎手も首をひねったこの不可解な失速を、この中間、再び目撃することになる。
滋賀・栗東トレーニングセンターにあるCWコースの1週前追い切り。3頭併せの最内から、悠々直線に向いたが全く伸びずに大きく遅れた。他厩舎の併せ馬と並走の形で、“5頭併せ”状態になったことを気にしたのか。思えば野路菊Sでも直線の立ち上がりでファントムシーフが馬体を寄せてきた瞬間、ひるんで走りが小さくなった。須貝調教師は会見で「気にしい(気にしすぎる)」な面があると評したが、スイッチが入り切る前に、外からかぶされ、ペースを乱されることを極度に気にするタイプなのかもしれない。
今回その心配が限りなく少ない15番枠。1週前に騎乗したレーン騎手とのコンビなら安心だ。前走のファルコンS(2着)では、他馬と接触しながら果敢に馬群を割り、重馬場のなか、きっちりと脚を使った。外厩・ノーザンファームしがらきから帰厩初戦。直前は一転CWコースでラスト200メートル10秒9の豪脚で伸び切った。不安はある。ただ全てがかみ合えば、この馬が一番強い。そう信じて勝負する。単複(15)、馬連(15)―(13)(6)(4)(8)(10)(11)(3)(12)。
◆母の父ロックオブジブラルタル NHKマイルCに4頭が出走し【1012】。14年ミッキーアイル(父ディープインパクト)が単勝1番人気で1着、17年タイセイスターリー(父マンハッタンカフェ)が同15番人気15着、19年ダノンチェイサー(父ディープインパクト)が同3番人気4着、19年カテドラル(父ハーツクライ)が同7番人気3着。3着内に入ったミッキーアイルとカテドラルは前走芝1600メートルの重賞で連対しており、カルロヴェローチェと同じ。ちなみに母の父ロックオブジブラルタルのダンチヒ系は【35121】で3着内率は30%と優秀だ。