◆第43回ジャパンカップ・G1(11月26日、東京・芝2400メートル)
絶対女王が大きな壁に立ち向かう。リバティアイランドは牝馬3冠ロードで圧勝を続け、今回は世界ランク1位のイクイノックスへの挑戦という新たなステージに進む。「イクイノックスだけでなく、G1級の牡馬も出てくる。ひとつのマイナスが、全ての結果につながってくる」。
そう気を引き締めるのは調整役の片山助手。秋は調教で我慢が利くようになった走りに精神面での成長も感じ、頼もしく思っている。しかし、まだ3歳の秋。本当の進化はこれから始まるのかもしれない。「まだ完成形が見えない。どこまでいくんやろう、というね。それだけに僕らもある意味怖いけど、そういう次元の馬やから」。デビュー時から調教に乗り続けているからこそ、この言葉には重みがある。
万全の仕上げで臨んだ秋華賞後も順調だ。短期放牧からの帰厩後1本目だった10日の栗東・坂路で52秒6といきなり速い時計をマーク。1週前の16日はCWコースで6ハロン86秒8―12秒0を出した。「(輸送のあった)オークスの時と同じパターンでやっている。直線はダイナミックでぶれのない走り。操縦性も問題ないし、上積みはある」と片山助手。底知れないポテンシャルに一戦ごとの進化が加われば…。イクイノックスの快進撃を止めるとなれば、この馬しかいない。(山下 優)