◆ジャパンカップ追い切り(22日、美浦トレセン)
タイトルホルダーは先週に続き、横山和を背に美浦・Wコースで5ハロンから僚馬メジャークロニクルを3馬身追走。序盤はやや前進気勢が強いと感じたが、鞍上がなだめると徐々に折り合い、脚さばきも軽やか。4角で内から並びかけると、真ん中に進路を取った直線は馬なりのままスムーズに加速。先週は直線でしっかり追われてラスト1ハロン11秒3だったのに対して、今回はほぼ持ったままで11秒4。反応面の良化をしっかり感じ取れた。さらに過程の濃密さが前走と段違いだ。
競走中止した天皇賞・春以来の復帰戦となったオールカマーは、坂路の改修工事に加え、残暑も厳しく、慎重な調整にならざるを得なかったが、今回は併せ馬を取り入れ、一段踏み込んだ調教に応えてきた。栗田調教師は言う。「帰厩して新装した坂路が使えるようになり、この馬本来のスタイルで調整できるようになった。左右差も改善して、走りのバランスも良くなっている」
確かに、左回りの追い切りでもコーナリングはスムーズで、直線をまっすぐ駆け抜ける走りから、日本ダービー以来の東京コースも全く不安は感じられない。「当該週は、あまりやり過ぎないように追い切ったが、無理せずいい時計が出ていた」というトレーナーの言葉にも納得だ。
昨年の宝塚記念時の追い切りで感じた迫力満点のかき込みと比べると正直あと一歩というのが本音だが、引き締まった体に、お得意の首をブンと振り、風格を漂わせる姿が戻ってきた。着実に復調の階段を上り詰めているのは間違いない。(松井 中央)