【チャンピオンズC】砂転向で素質開花のアイコンテーラー、2頭目の牝馬制覇狙う

芝から転向し、牝馬2頭目の勝利を目指すアイコンテーラー
芝から転向し、牝馬2頭目の勝利を目指すアイコンテーラー
01年に圧倒的な走りを見せたクロフネ
01年に圧倒的な走りを見せたクロフネ

◆第24回チャンピオンズC・G1(12月3日、中京・ダート1800メートル)

 第24回チャンピオンズCは12月3日、中京競馬場で行われる。「考察」プロローグ編は22年前、ルーキーだった戸田和彦記者の目の前を駆け抜けたのがクロフネ。それは米国産の芦毛の3歳牡馬が並み居る強豪を蹴散らし、NHKマイルCとの芝&ダート“二刀流”G1制覇の瞬間だった。戸田記者が今年、偉大な先駆者に姿を重ねるのは―。

 22年の時を経ても色あせない。クロフネが残した記憶は衝撃の強さだった。チャンピオンズCの前身にあたる2001年の第2回ジャパンCダート。東京のダート2100メートルを当時のレコードを1秒3更新し、今でも日本レコードとして残る2分5秒9の驚異的なタイムで駆け抜けた。抑え切れないほどの抜群の手応えで残り600メートル付近で先頭に立つと、直線では後続との差を広げる一方。他馬に影も踏ませない7馬身差の圧勝だった。

 今や今年のサウジCをパンサラッサ、ドバイWCをウシュバテソーロが優勝。ダートでも日本馬が世界トップクラスの実力を証明しているが、当時は世界との差が大きいとされていた時代。ライバルと目されたのは米国のダートG1を2連勝していたリドパレス。本場・米国から来日した強豪に日本馬が勝てるのか。そんな疑問を吹き飛ばした芦毛の怪物は「世界でも勝てる」と思わせてくれた。

 残念ながらこのレースを最後に故障で引退したが順調なら世界で猛者たちをなぎ倒す姿を見せてくれたと信じている。その01年と言えば記者が入社し、半年だけ中央競馬担当だったルーキーイヤー。栗東・坂路を豪快なフットワークで駆け上がり芝、ダートのG1を制した“二刀流”を間近で見られた思い出は今でも色あせていない。

 “二刀流”では個人的にクロフネ級のインパクトを残した馬はいないが、前記したウシュバテソーロや、21年BCディスタフを制したマルシュロレーヌ。そして昨年の王者・ジュンライトボルトも芝からの転向組。今年はアイコンテーラーの姿が重なる。

 今年8月のBSN賞でダートに矛先を向けるとシリウスS2着、JBCレディスクラシックで交流G1制覇と目覚ましい活躍。ダート適性の高さを見せている。「芝では勝ち切れなかったけど、ダートで一変。牡馬相手になるけど状態はいいし、(芝の時から)左回りの方が合う」と河内調教師。まだ、ダートでは底を見せていないドゥラメンテ産駒。15年のサンビスタ以来、2頭目の女王誕生も夢ではない。(戸田 和彦)

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