25年度の新規調教師免許試験合格者9人が5日、発表され、父がG1トレーナーの手塚貴徳助手(32)=美浦・相沢厩舎=、橋田宜長助手(36)=栗東・中竹厩舎=が名を連ねた。一次試験受験者125人から23人が進んだ二次試験を突破。免許は来年1月1日から有効となる。
5回目の挑戦、36歳で難関を突破した橋田宜長助手は、父・満氏、祖父・俊三さんともに調教師という競馬一家で生まれ育った。10年のドバイ留学中、世界に挑戦するウオッカの姿に感銘を受け、この世界に飛び込むことを決めた。
勝ちたいレースには天皇賞・秋を掲げた。理由には父が管理し、98年の同レース中の故障で悲運の死を遂げたサイレンススズカも大きく影響している。「永井オーナーが父に『またこういう馬をつくりましょう』と言ってくださった。祖父がタイテエム、父がスズカマンボで天皇賞(ともに春)を勝っている。親子3代で勝ちたいですね」と力を込めた。
4月にレース中の落馬事故で亡くなった藤岡康太さんとは幼稚園からの幼なじみ。思い出の一頭は、担当馬で唯一、亡き友の手綱で勝利をマークしたスズカロング。様々な思い、責任感を背負い、新たなステージで第一歩を踏み出す。(戸田 和彦)
橋田満・元調教師「一生懸命、試験に向けて努力していたので、成果が出てよかったです。我々の時代とは違いますが、開業して日々のことをこなし、軌道に乗せていくうちに思い描く理想が見えてくると思います。その理想にたどり着けるよう、頑張ってほしいです」