
◆チューリップ賞追い切り(26日、栗東トレセン)
3重賞の追い切りが26日、東西トレセンで行われた。桜花賞トライアルの第32回チューリップ賞(3月2日、阪神=3着までに優先出走権)に向け、阪神JF2着のビップデイジーが栗東の坂路で理想的な加速ラップで伸びた。
抜群の手応えでパワフルに駆けた。ビップデイジーは主戦の幸を背に、栗東・坂路でパーフェクト(3歳未勝利)を1馬身半追走する形でスタート。終始、手綱を押さえられながらだったが、力強い脚取りでグイグイとスピードアップ。15秒7、13秒8、12秒4、12秒1の理想的な加速ラップで54秒0を計時して楽々と併入した。
22日の阪急杯をカンチェンジュンガで制し、翌日のフェブラリーSではイン突きでサンライズジパングを2着に導いた鞍上は「馬なりだが、先週より反応は良かった。手綱を押さえるくらいでしたし、いい動きだった。前に壁を置いた方が、乗りやすくて折り合いもつく」。15回目(※)の騎乗で初制覇を目指す今回の重賞へ、納得の感触を示した。
新馬戦、紫菊賞(1勝クラス)を強烈な決め脚で制し、前走の阪神JFでは8番人気ながら勝ち馬と0秒2差の2着。このメンバーでは言うまでもなく実績上位だ。松下調教師は「新馬のときからいいなと思ってはいたけど、想像以上。徐々に体はしっかりしてきた。それでもまだ緩さがある。この状態でこれだけ走れるなら、まだ伸びしろもありそう」と底知れない潜在能力を感じ取る。
昨春からのスタンドリフレッシュ工事を終え、今週からリニューアルオープンする「シン・阪神」。3歳世代の全馬が初めての舞台で、桜花賞・G1(4月13日、阪神)と同じコースを経験することは大きなプラスになる。「前走後はすぐにここを使うことを決めて牧場で調整してきた。中京、京都と問題なくクリアしているので、阪神も悪くないと思う。桜花賞に向けて、いいレースをしてもらいたい」と指揮官。前哨戦で貫禄の走りを見せ、桜の女王の座まで上り詰める。(山本 理貴)
(※)幸英明騎手はチューリップ賞にこれまで14回騎乗して【01013】。2着は03年に牝馬3冠を達成したスティルインラブ(1番人気)。今年、ビップデイジーで初Vを目指す。