
◆第85回桜花賞・G1(4月13日、阪神競馬場・芝1600メートル)
先週5日の阪神でチャーチルダウンズCを取材した。直線で鮮やかに突き抜けたランスオブカオス、上がり最速で3着まで差を詰めたミニトランザットの2頭に共通しているのは、きさらぎ賞からの転戦だったことだ。ちなみにチューリップ賞2着から桜花賞に挑むウォーターガーベラも、きさらぎ賞の10着馬。当初は地味なメンバーだと思っていたが、今は気になるレースに急浮上している。
ここで2着だったのがリンクスティップ(牝3歳、栗東・西村真幸厩舎、父キタサンブラック)。実は当時、この馬に本命を打っていた。前半5ハロン58秒7のハイペースを好位追走から早め先頭。直線半ばで大敗を覚悟したが、ここからがしぶとかった。勝ったサトノシャイニングには完敗も、3着だったランスオブカオスには併走状態から最後まで抜かせず。差し競馬の中で粘り強さを最大限に発揮した。
この牡馬相手の好走は十分に評価できるもの。前哨戦で最も評価すべきなのが阪神JF組であることは分かっているが、妙味ありならきさらぎ賞で、見直しが十分に可能なのはリンクスティップだ。(山本 武志)