
◆皐月賞追い切り(16日・栗東トレセン)
時計以上の迫力だ。エリキングは栗東・坂路で単走。軽く仕掛けられた程度で、パワフルな脚さばきを見せた。「休み明けでここまでしっかり負荷をかけてきたので、疲れを残さないようにという狙いで、坂路で微調整」と中内田調教師。時計は54秒6―12秒7だったが、活気十分に駆け上がった。
デビューから3連勝で京都2歳Sを制覇。しかしその後、右第1指骨の剥離骨折が判明した。3月18日の帰厩後は予定通りに調教メニューを消化。中内田師は「偉いですね、この馬は」と目尻を下げつつ、「骨折箇所の影響は、ほぼないと思っていただいて大丈夫です」と強調した。
前走は1馬身1/4差で勝ったものの、勝負どころの反応がひと息で、加速に時間がかかった。川田は「成長がもうちょっと時間がかかるなという内容でした」と振り返る。それでも鞍上は「とてもいい馬ですよ」と断言。課題というより、むしろ伸びしろを残している。
2歳王者クロワデュノールとは未対戦。指揮官は「こちらはチャレンジャーとしてどこまで近寄れるか」と力を込める。自身も3戦無敗の重賞ウィナー。148日ぶりのターフで、光る素質を示す。(水納 愛美)