【皐月賞】12年ゴールドシップとそれ以降で傾向一変 数字から浮かび上がる伏兵は

カラマティアノス
カラマティアノス

 2000年以降の前走共同通信杯組は、01年ジャングルポケット(共同通信杯1着→皐月賞3着)が馬券圏内に入ったのが最初で昨年24年までに【7―0―7―19】。大きな潮目となったのは12年ゴールドシップ(1着→1着)の皐月賞Vか。01年から12年が【1―0―3―7】だったのに対し、13年から24年は【6―0―4―12】と出走も成績も急上昇。もはや新たな王道ステップとなった。

 共同通信杯以外も含めて、01年以降に3着までに入った馬の前走を12年までと13年以降で比較してみる。(▽レース名【01年から12年】【13年から24年】

▽報知杯弥生賞ディープインパクト記念【4―4―5―39】→【0―7―3―38】

▽スプリングS【5―3―2―58】→【2―1―2―38】

▽若葉S【2―4―1―20】→【0―1―1―25】

▽共同通信杯 【1―0―3―7】→【6―0―4―12】

▽アーリントンC【0―1―0―7】→【0―1―0―1】

▽京成杯【0―0―1―3】→【1―0―1―5】

▽毎日杯【0―0―0―15】→【1―0―0―9】

▽きさらぎ賞【0―0―0―11】→【0―0―1―8】

 01年から12年は出走が無く、13年以降に皐月賞で3着内に入った馬の前走となっているのは以下の3レースとなる。

▽ホープフルS【2―0―0―4】

▽朝日杯FS【0―1―0―2】

▽東京スポーツ杯2歳S【0―1―0―1】

 顕著なのは、優先出走権が与えられる前走トライアル(報知杯弥生賞、スプリングS、若葉S)組が出走数だけで無く成績も落としていること。12年まで【11―11―8ー117】(勝率7・5%、連対率15・0%、複勝率20・4%)だったのが、13年以降は【2―9―6―101】(勝率1・7%、連対率9・3%、複勝率14・4%)と完全に勢いを失っている。一方で共同通信杯&ホープフルS&朝日杯FS&東スポ杯2歳Sは、13年以降【8―2―4―19】(勝率24・2%、連対率30・3%、複勝率42・4%)となっている。

 皐月賞までのレース出走数も変わった(レース数【12年まで】【13年以降】)。

▽2戦【0―0―0―3】→【2―1―0―8】

▽3戦【4―0―0―10】→【3―4―3―25】

▽4戦【2―3―6―37】→【4―3―6―44】

▽5戦【3―2―3―36】→【2―3―2―35】

▽6戦以上【3―7―3―87】→【1―1―1―50】

 2戦と3戦の馬が2倍以上に増えており、レース経験が少なくとも、狙ったレースに絞って使ってきた馬が結果を出す傾向になっている。外厩施設を持つ牧場と調教師のスキルや経験値が上がり、休み明けでも実力を発揮できるようになり、ゆったりとしたローテーションを組める馬の成績が向上したのは明らかだ。

 さらに12年までと13年以降で大きく変わったデータを加える。

▽ノーザンファーム生産馬【3―2―2―34】→【6―8―5―64】

▽前走距離1800メートル【6―3―5―86】→【9―2―7―66】

▽前走距離2000メートル【6―8―7―71】→【3―8―5―79】

 今年のメンバーで当てはまるのはカラマティアノス。前走は1800メートルの共同通信杯でノーザンファーム生産、ここまでキャリア5戦。叔父のサトノフラッグは20年報知杯弥生賞V、叔母のサトノレイナスは21年阪神JF2着から牝馬ながら日本ダービーに挑戦して5着。春のクラシックシーズンに実績ある母系と言える。

 前走の共同通信杯の勝ちタイムは過去10年で最速。後半5ハロン58秒0は、現3歳世代で主要4場(東京、中山、京都、阪神)に中京を加えた5場の芝1800メートル&2000メートルでマークしたのはクロワデュノールの新馬戦、毎日杯(ファンダム)と3レースだけ。G1級と呼べるタイムに0秒1差2着と好走しながら人気の盲点になりそうなカラマティアノスを狙ってみたい。(編集委員・小松 雄大)

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