
◆第20回ヴィクトリアマイル・G1(5月18日、東京・芝1600メートル)
春の古馬女王決定戦、第20回ヴィクトリアマイル・G1(18日、東京)で、3度目の対戦となるアスコリピチェーノとステレンボッシュ。かたや海外重賞快勝、かたやG1大敗―、対照的な臨戦過程だがともにマイル戦はオール連対を誇る舞台。2頭だけの出走となるG1馬が復権をかけてぶつかり合う。
このG1タイトルは譲れない。23年の2歳女王アスコリピチェーノが実力を証明する戦いに挑む。マイルG1は3戦1勝2着2回とパーフェクト連対中。23年の阪神JFを制して以降、桜花賞、NHKマイルCでともに2着と、実績は今回のメンバーでは頭ひとつ抜けたものがある。鈴木助手は「東京1600メートルは距離、コースともにベスト。牝馬同士になるし、ここは落とせない思い」と力が入る一戦だ。
昨年11月には初の海外遠征も経験。だが、豪州のゴールデンイーグル(芝1500メートル)は12着とキャリア初の連対を外すショッキングな敗戦を喫した。同助手は「外枠、雨、スタート後に前をカットされる不利があった」と敗因を分析。その後は一度帰国し、再度海外のサウジアラビアの1351ターフスプリント(芝1351メートル)に目標を定め、見事勝利。「調整や競馬の流れもうまくいった」と同助手。粘るウインマーベルを地力でねじ伏せ、2度目の異国の地で適応能力の高さを見せつけた。
ここまで調整にも抜かりがない。美浦・Wコースでの1週前追い切りは、最後の直線で僚馬2頭を目標に追い出しを開始。びっしりと負荷をかけられ一頭抜け出すと、この日最速となるラスト1ハロン11秒0をマークした。雨で重くなった馬場をさすがの脚力で駆け抜け、成長をうかがわせた。鈴木助手は「海外にも遠征して環境の変化に強くなったし、体はどっしりして、よりマイラーになってきた印象はある」と充実ぶりを口にした。大きな経験を積んで迎えるマイル女王決定戦。きっちりとものにし、今後の飛躍につなげる。