
◆第66回宝塚記念・G1(6月15日、阪神競馬場・芝2200メートル)
憧れの大舞台に立つ時が来た。2年目の高杉が宝塚記念でプラダリアとG1に初挑戦する。年始に「G1のような舞台でも乗せていただけるように、勝てるように頑張りたい」と誓いを立てた19歳。今年はリーディング18位の25勝を挙げ、JRA通算73勝。重賞には11度の騎乗で経験を積み、春のグランプリでチャンスが巡ってきた。「騎乗依頼をいただけたときは、すごくうれしかったです。やっぱりG1は違う競馬場で見ていてもドキドキしますし、心を動かされるものがあります。G1を勝つことが夢ですが、乗るということも夢でした」と瞳を輝かせる。
初コンビの相棒とは2週前、1週前追い切りでコンタクトを取った。「背中が柔らかくていい馬。癖もありません。2週前より1週前の方がバランスが良くなっていました。いい印象を持ちましたし、初めてのG1でもプレッシャーを感じることなく臨めます」と自信を深めて本番に向かう。
過去の映像も入念にチェック。「(池添)謙一さんはいつも乗りやすそうに乗られている。最近は先行力も出てきている印象です」と調教でつかんだ感触と照らし合わせ、プランを思い描く。
レース当日は19歳8か月19日。勝てばグレード制導入以降では武豊の20歳2か月28日(89年イナリワン)を更新する同レース最年少V記録となる。「今後につなげられるように、精いっぱい騎乗ができれば。ここまでこられたのも周りの方々のおかげ。そういった気持ちも胸に頑張りたい」。昨年の朝日杯FS3着、先週の安田記念で2着と存在感を放つ同期の吉村に続く、飛躍への一歩としたい。(山本 理貴)

◆高杉 吏麒(たかすぎ・りき)2005年9月28日、滋賀県生まれ。19歳。栗東・藤岡健一厩舎所属。1年目の24年はJRA48勝を挙げ、最多勝利新人騎手賞と中央競馬関西放送記者クラブ賞(関西所属騎手新人賞)を受賞。同期デビューの現役騎手は石神道、坂口、柴田裕、長浜、橋木、吉村。165センチ、48・3キロ。血液型A。