
メイショウタバルがスローで逃げたのは3歳春の毎日杯まで。ペースを緩めず先導するスタイルになってからは、出走レース自体がタフな持続力比べになりがちだ。ペース、馬場次第で上がり600メートルが36秒台(過去10年で16、18、20、22年)になることも珍しくない阪神の宝塚記念。日曜の天候は微妙だが、メイショウタバルの存在で“消耗戦”寄りの戦いになるとみる。

ローシャムパークが本命。昨年の大阪杯の際にも書いたが、洋芝が得意とされるハービンジャー産駒の本質は「コーナーでの加速に優れる」こと。函館記念、オールカマー、大阪杯(2着)に、米デルマー競馬場のBCターフ(2着)と、機動力が生きる小回りコースで好成績を上げてきた。

今回はオーストラリアからの帰国初戦。1週前には栗東・CWコース6ハロン75秒2の猛時計をマークした。直線は外に併せ、ゴールを過ぎて再度ハミをかけ直して追われたことで十分な負荷をかけた。直前追いは、あえて苦手な坂路を選択し、これまた迫力満点の走り。輸送を考慮し、5月22日に早めに栗東入りしたことも、最終調整でさらなる負荷を課したことも、すべてが“攻めの姿勢”のあらわれだ。計算され尽くした田中博調教師のタクトに全力で応えた馬に一票を投じる。馬連(3)―(1)(9)(15)(2)(12)(13)(17)(16)。(大上 賢一郎)