【しらさぎS】24年2冠牝馬が巻き返しへ仕上がり不安なし「近走で足りなかったものが少し戻ってきた」

3頭併せの真ん中で鋭く伸びたチェルヴィニア(カメラ・荒牧 徹)
3頭併せの真ん中で鋭く伸びたチェルヴィニア(カメラ・荒牧 徹)

◆しらさぎS追い切り(18日・美浦トレセン)

 週末に行われる2重賞の追い切りが18日、東西トレセンで行われた。サマーマイルシリーズ初戦の第1回しらさぎS・G3(22日、阪神)に出走する昨年の2冠牝馬チェルヴィニアは、美浦・Wコースで木村厩舎おなじみの3頭併せ。昨年の秋華賞以来の勝利へ、状態面を角田晨記者が「見た」。

 さすがの厩舎力と言うべきだろう。チェルヴィニアの当週追いは、3頭併せの真ん中から馬なりのまま鋭く伸び、外レッドヴェロシティ(7歳3勝クラス)に併入、内ブルーベリーフィズ(3歳1勝クラス)に半馬身先着した。

 1週前の11日に美浦・Wコースで長めの併せ馬を行った際は、パワフルなフットワークこそ目立ったものの、やや体が伸びるようなところがあり、仕掛けた際の反応面にも不安の残る動き。はっきり言って重たかった。それが今週は、太田助手が「先週末、今週と少し調教を工夫して、近走で足りなかったものが少し戻ってきた感じがあります。素軽さ、シャープさの部分ですね」と手応えを口にしたように、上積みを感じさせる内容。今年は2走して勝利なしだが、巻き返しへ向けしっかりと態勢を整えてきた。

 度肝を抜かれる動きだったオークスの最終追い切りに比べると、まだ幾分しまいの伸びに良化の余地はある。それでも、近走で上位の状態にあることは間違いない。少なくとも、口向きの悪さを感じさせた前走、ドバイ・シーマクラシック(6着)の国内最終追い切りよりは、だいぶ上向いている。タイムも6ハロン81秒9―11秒2と上々で、仕上がりに不安はない。

 あとは、13着に大敗した桜花賞以来のマイルに対応できるかどうか。切れるタイプではないのでやはりベストは中距離に思えるが、一方で昨年に比べると筋肉のボリュームが大きく増した印象で、体格的にはこなせても不思議はない。同助手も「最近はゲートの出も悪くないし、桜花賞の時は長期休養明け(5か月半ぶり)でしたからね。こなしてくれると思います」と自信をのぞかせた。

 16日にかつての所属馬イクイノックスが、対象初年度で殿堂入りの快挙を果たした東の名門、木村厩舎。その現エースに、新設重賞の初代覇者として名を刻んでもらおう。(角田 晨)

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