田口貫太騎手が今夏フランスで武者修行「一秒も無駄にしないように」初の海外競馬挑戦

今夏にフランスで武者修行に挑む田口貫太騎手
今夏にフランスで武者修行に挑む田口貫太騎手

 デビュー2年目の田口貫太騎手=栗東・大橋勇樹厩舎=が、3回小倉開催終了後の7月4週目から約2か月、フランスに武者修行に旅立つ。受け入れ先は、パリ近郊のシャンティイに厩舎を構える小林智調教師。田口騎手は「小林先生と親交のある助手さんが話してくださって、小林先生からご機会をいただきました。師匠の大橋先生に相談させていただいたところ『うまくなるためなら行ってきなさい』と背中を押していただきました」と経緯を説明。自身が不在の間、厩舎の調教は大変になるが、スタッフも応援してくれているという。「行くからには、送り出してくれるみなさんの力になれるよう勉強してきます」と覚悟を決めている。

 小林調教師は、2008年に日本人として初めてフランスで調教師免許を取得。これまで藤岡佑介騎手=栗東・フリー=、西村淳也騎手=栗東・フリー=に加え、2月末で引退した藤井勘一郎騎手、美浦・田中博康調教師も騎手時代に研修してきたステーブルだ。日本馬が凱旋門賞に挑戦する際にも度々、現地での調整を受け入れてきた。田口騎手は「もともと、海外にはすごく行きたいと思っていました。日本にも素晴らしいジョッキーはたくさんいますが、世界のレベルは高いです。色々なことを経験するうえで、行ってマイナスになることはないのかなと。行けるなら早く行きたいと思っていました」と目を輝かせる。

 海外に興味を持つようになった一番のきっかけは、凱旋門賞の存在だという。「日本馬が世界で活躍している中で、世界一と思っている日本馬が苦戦している競馬を肌で感じてみたいですし、ルメール騎手やペリエ騎手、クリスチャン(・デムーロ)騎手、スミヨン騎手といった世界レベルのジョッキーが多いからです」とフランスを選択した理由を明かす。

 現地では自ら志願してスタッフと同じ住居で生活する予定。「馬への接し方、考え方を学びたい。一秒も無駄にしないように吸収したいと思っています」と常にコミュニケーションをとり、一日でも早く打ち解けるつもりだ。レースの騎乗は現時点では未定だが、就労ビザ、国際運転免許証も取得済みで、後は信頼を得てチャンスをつかむだけ。

 6月12日にアンデスビエント(牝3歳、栗東・西園正都厩舎、父ドレフォン)で関東オークスを制し、待望の重賞初V。今年もJRAで24勝(6月17日現在)を挙げ、昨年以上のペースで勝ち星を積み重ねる。「オーナー、関係者のみなさまにはご迷惑をおかけしますが、成長して恩返しできるように頑張ってきますので、応援よろしくお願いいたします」。勢いに乗る若武者の挑戦から目が離せない。

 ◆田口 貫太(たぐち・かんた)2003年12月10日、岐阜県生まれ。20歳。23年3月4日に阪神でデビュー。同26日、阪神1R(レッツゴーローズ)で初勝利。JRA通算59勝(17日現在)。156・4センチ、44・6キロ。血液型はA。同期は小林美駒騎手、石田拓郎騎手、小林勝太騎手、河原田菜々騎手、佐藤翔馬騎手。父は元騎手で、笠松競馬の輝彦調教師。母は笠松の元騎手、広美さん(旧姓・中島)。

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