無傷の5連勝で白毛馬初のクラシック制覇となる桜花賞Vを決めたソダシ(牝3歳、栗東・須貝尚介厩舎)は一夜明けた4月12日、滋賀・栗東トレーニングセンターで激戦の疲れを癒やした。
わずか7センチの差で、サトノレイナスとの叩き合いを制した阪神JFから、着差を「首」に広げ、史上8頭目の無敗の桜の女王に輝いた。
前夜は19時過ぎに栗東に帰厩。担当の今浪隆利厩務員は「落ち着いているし、普段通り。調教が終わって、スイッチがポンと外れる。昨日のレース後もそんな感じ」とホッとした様子だ。
今回はゲート先入れが大きなポイントだったが「(レース直前は)ゲートのそばから離れないようにと隼人(吉田隼騎手)と話していた。中に入ってもおとなしかったね」と、約2か月間の在厩で対策した成果を披露した。
勝利の瞬間は、ゲートから検量室前に帰ってくるバスのテレビで確認した。「『抜けたな』と思った。あまり声も出せないし、とにかく『頑張れ!頑張れ!』しかない。ヨッシャと思った」。
勝ちタイム1分31秒1は、レコードのおまけつきだった。「時計を見てびっくり。ダート馬と言われることもあったけど関係ない。雨が降っても大丈夫。そのぶん、プレッシャーはかかるけどね。2か月間長かった。毎日、状態と脚元を見るのがプレッシャー。無事に競馬を使うのが第一だった。ぬいぐるみが即完売だったって? これだけ応援してくれてありがたい」と62歳のベテラン厩務員は、感謝の言葉を口にする。
今後はオークス(5月23日、東京)が視野に入るが、「須貝先生が、距離(2400メートル)を考えた調教メニューを組んでくれるし、大丈夫だと思う。心臓がホンマにいいし、スタミナもある。安心して競馬を見ていられるからね。(デアリングタクトに続く)無敗で3冠の夢が一歩進んだ。みんな1冠とったら3冠とりたくなるでしょ」とおちゃめに笑いながらも、気を引き締めていた。