◆第165回天皇賞・春・G1(5月1日、阪神競馬場・芝3200メートル)
伝統の長距離G1、第165回天皇賞・春(5月1日、阪神・芝3200メートル)でメンバー中、唯一のG1馬がタイトルホルダーだ。菊花賞馬が過去10年で6勝、現在3連勝中というデータも追い風に、新たなビッグタイトルを狙う。
G1馬の能力とプライドを誇示する絶好の舞台だ。タイトルホルダーは昨年の3冠最終戦を制した強い4歳世代のクラシックホース。ひと昔前から同じ長距離G1の連動性は高く、過去10年間でも4頭の菊花賞馬が6勝している。栗田調教師は「人気も集まると思うので責任を感じますし、いい結果を残したい」と天皇賞・春に向けての決意を口にした。
菊花賞の5馬身差圧勝を筆頭に、これまでの全4勝は全て逃げ切り勝ち。「有馬記念(5着)は同型もいて難しいところもあった。今回の方が形をつくりやすいかもしれない」と栗田師はイメージする。報知杯弥生賞ディープインパクト記念では後のG1馬シュネルマイスターを完封し、日経賞でも最後まで抜かせない圧倒的な勝負強さを見せた。
その前走は有馬記念後に右後肢を負傷し、いったんは春のローテーションが白紙になるなど順調さを欠いたなかでの一戦。レース後に横山和が「七分くらいの雰囲気だったので(道中は)左に傾いていたし、結構引っかかってもいた」と振り返ったように万全の出来ではなかった。本番前に前哨戦を使えたのは大きく、栗田師は「前回はレースを使うことがメインテーマだったので細かいところに手が届かないところもあったが、今回はしっかりやれている。良い頃に近づいているのではと思う」と確かな手応えをつかんでいる。
15日に凱旋門賞(10月2日、仏パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)へ登録することが判明。「国内の春、夏の競馬(の成績や内容)次第」と栗田師が説明したように、まずは天皇賞・春で結果を出すことが最優先。ここで新たな勲章を手にすれば、世界のタイトル奪取に向けての道が開ける。(西山 智昭)
◆菊花賞馬の天皇賞・春成績 過去20年で延べ9頭が勝利している。そのうち、菊花賞を勝った翌年に天皇賞・春を制したのは02年マンハッタンカフェ、06年ディープインパクトなど5頭おり、今年はタイトルホルダーが挑む。また、過去10年で6勝、19年から3年連続で勝利しているように、近年の好成績が際立っている。