【ホープフルS】レガレイラが2歳混合G1を牝馬で初制覇「ルメール×木村厩舎」から再び大物誕生

ホープフルSを制したレガレイラ(左から2頭目)
ホープフルSを制したレガレイラ(左から2頭目)
牝馬初の快挙を達成したレガレイラ(左端は木村調教師、右端はルメール)
牝馬初の快挙を達成したレガレイラ(左端は木村調教師、右端はルメール)

◆第40回ホープフルS・G1(12月28日、中山競馬場・芝2000メートル=良)

 23年最後のJRA・G1、第40回ホープフルSは28日、中山で行われ、レガレイラが後方から差し切り、G1初制覇となった。朝日杯FSを含めて2歳混合G1を牝馬が制すのは史上初めて。新種牡馬スワーヴリチャード産駒も初のG1制覇。陣営は皐月賞出走も視野に入れており、引退した世界最強馬イクイノックスと同じ「ルメール×木村厩舎」のコンビから再び大物が生まれた。

 わずか3戦目の牝馬が、大外から鮮やか過ぎる切れ味を見せた。しびれる手応えで最後の直線を向いたレガレイラ。残り300メートルで前が開けると、メンバー最速の末脚で急坂を全く苦にせず駆け上がり、先に抜け出していたシンエンペラーを並ぶ間もなく差し切り。着差は3/4馬身ながら、まさに大物誕生の瞬間だった。

 今年G1・7勝目を手にしたルメールすら「前の馬がフラフラして進路がなかなか決まらなかったけど、大外に出してからはいい反応でした。ギアアップしてからは自分もびっくりしました」と舌を巻く末脚。武豊に次ぐ史上2人目となるGI・50勝目を、新たなスーパーホースと刻み、満足そうに振り返った。

 初戦、2戦目に続き、ゲートが決まらず後方からのレースだったが、「この位置になっちゃうかと思って見ていました」と木村調教師。結果的に芝が荒れた内側を走らずに済み、「3~4コーナーは掘れているので外を回ってもいいと思っていました」と、冷静に見守るほど力を信頼していた。

 牝馬が同レースを制したのは初(牝馬限定だった90年以前は除く)。84年のグレード制導入後、朝日杯FS(牝馬が出走可能になった04年以降)を含む2歳の牡馬混合G1を牝馬が勝利したのも史上初だ。G1・6勝の名牝、グランアレグリア(18年朝日杯FS3着)も成し遂げられなかった快挙だけに、木村師は「前走で期待を裏切っていたので歴史に名を刻めたのはいいこと」と喜んだ。

 世界一の“怪物”イクイノックスはターフを去ったが、同じ「木村厩舎×ルメール」のコンビとなれば“新怪物”への期待は膨らむ。サンデーレーシングの吉田俊介代表は「皐月賞の選択肢を採る可能性は大きいと思います」と来春のクラシックで再度牡馬との対決を示唆。G1初出走で父のスワーヴリチャードに初のビッグタイトルをプレゼントした“少女”の未来は果てしなく広がっている。(石行 佑介)

 ◆レガレイラ 父スワーヴリチャード、母ロカ(父ハービンジャー)。美浦・木村哲也厩舎所属の牝2歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算3戦2勝。重賞初勝利。総獲得賞金は8277万9000円。馬主は(有)サンデーレーシング。

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