国内主要スタリオンは、5日から種牡馬展示会が始まり、14日のビッグレッドファームを残すのみとなった。社台スタリオンステーション(スタリオンステーションは以下SS)は先週のコラムで触れたので、残る展示会の様子を振り返る。5日は浦河町のイーストスタッドで開催され、新種牡馬2頭を含む27頭(辻牧場繋養を含む)が登場。ネクサスハート(牡6歳、父ブラックタイド、母シュガーハート)は、18年セレクト当歳において1億2500万円(税別)で取引されたキタサンブラックの全弟。地方4勝の成績で競走生活を終えたが、キタサンブラックの約65分の1に設定された種付料(受胎条件30万円または出生条件40万円)を考えれば、一発の魅力を秘める。そして、辻牧場繋養のスズカソブリン(牡5歳、父ノーネイネヴァー、母シーキングソーレス)は、中央でのデビューが叶わなかったものの、名古屋で1勝を挙げた。父ノーネイネヴァーは、22年と23年の英愛2歳チャンピオンサイアーで、スキャットダディの貴重な後継種牡馬。国内ではユニコーンライオンの父として知られる。種付料は、受胎条件20万円または出生条件30万円。その他、今年からイーストスタッドに入厩したモジアナフレイバーや、再入厩のヘンリーバローズ、人気種牡馬のホッコータルマエやダノンレジェンド、マジェスティックウォリアーなどが展示された。
7日は新冠町の優駿SS。新種牡馬4頭、新入厩1頭を含む30頭がお披露目された。22年チャンピオンズCを制したジュンライトボルト(牡7歳、父キングカメハメハ、母スペシャルグルーヴ)は、現役時に管理していた友道康夫調教師が駆け付け「厩舎に初めて、ダートの重賞とG1をもたらせてくれた馬で、大変思い出深い一頭です。種牡馬として成功を収めているドゥラメンテやルーラーシップを考えれば、ジュンライトボルトには種牡馬としての資質の高さを感じています。ジュンライトボルト産駒を育成できることを楽しみにしていますし、ぜひ1頭でも多く交配相手にご検討いただければと思います」と、生産者にアピールしていた。続いて、22年ジャパンCでG1初制覇を飾ったヴェラアズール(牡7歳、父エイシンフラッシュ、母ヴェラブランカ)が登場。来場していた渡辺薫彦調教師は「諦めてはいけない、決めつけすぎることもダメだということを僕に教えてくれた馬です。出世する過程でダートを勝ち進んだ馬でもあり、芝ダートともに活躍できる可能性を秘めた種牡馬になると思っています」とコメントした。
輸入種牡馬は、15年メトロポリタンHなど米G12勝を挙げ、すでに北米で3頭のG1を輩出しているオナーコード(牡13歳、父エーピーインディ、母セリナズキャット)と、22年愛ダービー馬で昨年の凱旋門賞2着など日本のファンにも馴染みあるウエストオーバー(牡5歳、父フランケル、母ミラビリス)がお披露目された。また、社台SSから移動してきたミッキーアイルや、看板種牡馬であるヘニーヒューズ、エスポワールシチー、シルバーステートなどが展示された。来週は門別地区の種牡馬展示会の様子をお届けする。(競馬ライター)