◆宝塚記念1週前追い切り(6月12日、栗東トレセン)
第65回宝塚記念・G1(23日、京都)の出走予定馬が12日、東西トレセンで1週前追い切りを行った。昨年の有馬記念を制したドウデュースは、武豊騎手を背に超抜時計をマーク。グランプリ連覇に向けて、不安のない仕上がりだ。
別次元という言葉がぴったりだ。ドウデュースは栗東・CWコースでヴィゴラスダンサー(5歳2勝クラス)とサトノシュトラーセ(3歳2勝クラス)を追走。直線入り口で仕掛けられると、並んでいた僚馬2頭を瞬く間に抜き去った。筋肉を隅々まで躍動させて疾走。持ち前の四肢の回転力はそのままに、雄大なストライドで駆け抜けた。後続を4馬身半突き放してのゴールで、6ハロン79秒8(7ハロン96秒0)―10秒8と破格のタイムを叩き出した。
引き揚げてきた武豊は「調教だけでお金を取れる馬だね」と笑みを浮かべて絶賛した。最後の2ハロンは10秒9―10秒8。この日、ともに10秒台のラップだったのはドウデュースのみ。レジェンドは「後半(の時間帯)だからね。気分が良さそうだった。折り合いも全然問題ない」と満足げにうなずいた。
また、追い切りを視察した松島正昭オーナーも「すごかったな」と驚きを隠せない様子。今年は地元の京都で開催されることもあり、「うれしいじゃないですか。頑張ってもらいましょう。応援よろしくお願いします」とファンに向けたメッセージも送った。
前走のドバイ・ターフ(5着)は位置取りが厳しく、本来の末脚を発揮できなかった。「ドバイは悔しいレースだったので、決めたいですね。楽しみ」と武豊。反撃に向けて、人馬の闘志は強まるばかりだ。(水納 愛美)