【宝塚記念】23年皐月賞馬に復活の光 馬なりでラスト11秒5 手塚調教師「思い通りいい調教」淀仕様調整で末脚取り戻した

復調を感じさせたソールオリエンス(右)(カメラ・荒牧 徹)
復調を感じさせたソールオリエンス(右)(カメラ・荒牧 徹)

◆宝塚記念追い切り(6月19日・美浦トレセン)

 第65回宝塚記念(23日、京都)の追い切りが19日、東西トレセンで行われた。復活を期す昨年の皐月賞馬ソールオリエンスも陣営納得の仕上がり。きょう20日に枠順が決定する。

 いつでもはじけそうな手応えが何よりの成果だ。23年の皐月賞以来となる復活Vを目指すソールオリエンスは、美浦・Wコースでショーマンフリート(3歳2勝クラス)を2馬身半追走する形からスタート。道中は前向きさをのぞかせながら我慢が利き、直線は大外を回って6ハロン82秒9―11秒5と、馬なりで楽にスピードに乗って併入した。手塚調教師は「思い通りいい調教ができた」と、仕上がりに太鼓判を押した。

 イメージするレースプランを念頭に調教パターンを変えてきた。前走の大阪杯(7着)は、直線の短い内回りコースとあって初めてブリンカーを着用。作戦通りに3角手前から仕掛けて前へ進出できたが、最後は伸びを欠く形になった。指揮官は「厩舎の考えを彼にゴリ押ししてしまったという反省もある」としてブリンカーを外す考え。今回は京都の外回りコースで末脚勝負に徹するため、ベストコンディションを一番に追求してきた。

 もともと能力の高さから調教で動いてしまうため、この中間は後肢に疲労を残さないために坂路での追い切りを控えて、Wコースのみで調整を進めてきた。そのかいあってか前向きさや集中力が増して、1週前は美浦・Wコースで5ハロン66秒4―10秒8の好時計をマーク。手塚師が「久しぶりにこの子らしいはじけ方だった」と、復調の兆しを感じ取るほどだった。調教でもレースでも小細工なしで逆襲を期す。(坂本 達洋)

<横山武史騎手に聞く「皐月賞の再現のように」>

 ―前走を振り返って。

 「手塚先生と話して、積極策で臨むということで、作戦通りの競馬ができたと思います」

 ―京都コースについて。

 「内回りより外回りの方が個人的にはいいと思っています。今年は京都でイレギュラーですが、向いていると思います」

 ―渋った馬場は。

 「皐月賞の時に馬場が悪くても勝っていますし、こなしてくれるのではないかなと思っています」

 ―今回はブリンカーを外して臨む。

 「新しい面が見られればと思ったが、大きくは変わらなかったので。皐月賞の再現のようにならないかなと」

 ―意気込みを。

 「皐月賞馬ですし、能力はG1馬としてやれる馬だと思っています。メンバーも強いですが、しっかりこの馬の能力を出し切れるように頑張りたいと思います」

 ◆23年皐月賞VTR 前日の雨で内は荒れた重馬場。1番枠のソールオリエンスは道中15番手で馬場を選びつつ進み、4角では前と大きく離れた17番手だったが、直線は大外から飛ぶように伸びて前を一気にのみ込んだ。上がり3ハロンは最速の35秒5だった。

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