【宝塚記念】復権期すG1馬が王道調整 天皇賞・春Vなど結果出した昨春と同じCWコースでラスト11秒3 杉山晴調教師「ちょうどいい感じ」

CWコースで俊敏な動きを見せたジャスティンパレス(左)
CWコースで俊敏な動きを見せたジャスティンパレス(左)

◆宝塚記念追い切り(19日・栗東トレセン)

 最後の最後に攻めた。栗東・CWコースのラスト100メートル過ぎ。リズム重視で折り合っていたジャスティンパレスの手綱が一気に激しく動き出した。内から3馬身追走したソレイユヴィータ(4歳3勝クラス)に馬体を併せると、俊敏な反応でトップスピードに乗る。頭差だけ前に出たゴール板を過ぎても、勢いは全く鈍らない。7ハロン98秒7―11秒3。メリハリを利かせる形で最終調整を終えた。

 杉山晴調教師は「やり過ぎず、軽すぎず。ちょうどいい感じでした」と振り返った。昨秋のレース当週はすべて坂路追いだったが、関西圏で長距離輸送のない今回はCWコースで調整。《1》《1》〈3〉着と結果を出した昨春と同じパターンを踏襲した。

 今回は初の海外遠征明け。しかし、トレーナーは「心配していた海外遠征の疲労も感じない」と言い切る。その言葉に説得力を持たせるのが中間の調整過程だ。昨年のこのレースは坂路とCWコースで速い時計が計6本だが、今回は計8本。丹念に乗り込んできた。

 量だけではない。この日は黒の覆面を着用した。「外すとエキサイトする面がある。落ち着いた状態で走らせたかったんです」と昨年の全国リーディングを獲得したトレーナーは説明。騎乗時4戦4勝のルメールが再び手綱を執り、舞台も天皇賞・春を勝った淀へ戻る。「京都に関してはいいイメージを持っています。完全な状態でいいレースをしないといけないと思っています」。強い口調から伝わる仕上げへの手応え。復活の時は近い。(山本 武志)

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