JRAは10月9日、調整ルーム内に通信機器(スマートフォン)を持ち込み、通信していたと7日に発表した永野猛蔵騎手=美浦・伊藤圭三厩舎=、小林勝太騎手=美浦・小野次郎厩舎=について、美浦トレセンで会見した。両騎手は8日から裁定委員会の議定があるまで、騎乗停止となっている。
概要を説明した美浦トレーニングセンターの赤井誠公正室長は「永野騎手の部屋から電話をしている声がする」と調整ルームのJRA職員から複数回の報告があり、10月6日の東京12R騎乗後に本人立ち会いのもとで調整ルーム内を検査したと冒頭に説明。その結果、「キャリーバッグ内から1台のスマートフォンが見つかり、本人に確認したところ、5日の東京競馬場、調整ルーム入室時に1台目のスマートフォンをロッカーに入れ、隠し持っていたスマートフォンを意図的に居室内に持ち込み厩舎関係者などと調教のやりとりなどをするのに使用していたことを認めた。また、通信アプリの履歴からは9月27日に美浦の調整ルームに入室していた小林勝太騎手とメッセージのやりとりが見つかったことで小林勝騎手に確認したところ、事実を認めました」と今回の流れを説明。現在は期間をさかのぼって調査が進められている。
JRAでは若手騎手のスマホ不適切使用が相次いでいる。昨年5月には、当時デビュー3年目までの若手騎手6人に30日間の騎乗停止処分が下されていた。また、今年5月には3年目の水沼元輝騎手にも不適切使用と偽装工作が判明。来年2月28日までの9か月間の騎乗停止処分が科せられていた。
JRAは若手騎手を対象にコンプライアンスなどの研修を行なってきたが、「今後はさらに踏み込んだ再発防止策をメインに検討していきたい」とこの問題について積極的に取り組んでいく姿勢を見せた。