1日に門別競馬場で行われたレースで1、2着馬の入線順を逆に判定。レースを確定させ、払い戻しを行う誤審事件が起こり、主催者するホッカイドウ競馬がレース翌日の2日夕方に北海道庁で会見を行った。
問題のレースは、1日のメイン、11Rとして行われた第45回北海道2歳優駿・交流G3(ダート1800メートル、13頭立て)。同レースはJRA所属馬4頭が遠征して、ホッカイドウ競馬所属馬と激突する2歳馬限定の重賞競走で、1着賞金は2500万円(2着賞金は500万円)だった。レースは逃げた6番人気イグナシオドーロに、1番人気のウィンターフェルが直線で並びかけ、地元勢同士の叩き合いになって、2頭が鼻面を並べるようにゴール板を駆け抜けた。
写真判定の結果は1着ウィンターフェル、2着イグナシオドーロで確定。払戻金も発表されたが、着順確定の6分後に写真を再検証した結果、内のイグナシオドーロが約4センチ先着していたことが判明した。主催者側は地方競馬全国協会など関係各署に誤審したことを報告。誤審による影響は1、2着馬の着順とともに、誤審によって的中の目が変わった単勝、馬単、3連単及びトリプル馬単(後半3レースの馬単を連続して当てる)の4種類の馬券(複勝、馬連、ワイド、3連複は的中の目の変更なし)を購入したファンに及ぶことに。
ホッカイドウ競馬を管理する北海道農政部競馬事業室の田中源一室長は「すでに支払われている払戻金は有効なものとして、正しい到達順位の払戻金相当額(1億39万530円)をお支払いする方向で、関係機関と協議している。具体的な払戻方法などは改めてお知らせする予定」としたが、JRA所属馬も出走する注目のレースで起こった誤審事件だけに、全国の競馬場で馬券が発売されていたこともあり、被害は広範囲に及んでいる。
誤審の原因として、「2名の決勝審判員により写真判定を行ったが、確認不足があった」とした田中室長は「二度と起こさないように、到達順位の判定作業について体制を強化し、再発防止に努める」と話した。
競馬での着順を誤審し例は1986年5月31日に中央競馬の阪神競馬場の第4競走で2、3着馬を逆に判定して確定した例がある(当時は馬券に関しては枠連のみが的中目とは違ったため、両方を払い戻しの対象とした)が、地方競馬では前例は記録されていない。