◆ジャパンC追い切り(20日・東京競馬場)
第44回ジャパンC・G1(24日、東京)の出走馬と枠順が21日、確定した。海外勢ではオーギュストロダンが“Aオブライエン”流で2日連続の調教を行った。
異例の調教に報道陣がざわめいた。オーギュストロダンは21日、東京競馬場のダートコースで6ハロン80秒9―12秒9を記録。前日に芝コースで6ハロン81秒8―13秒2をマークしており、2日連続での“追い切り”となった。時計を連続で出すのは日本馬では考えづらいこと。だが、Aオブライエン調教師は「予定通りの調整を行えている」と冷静な表情を崩さなかった。
G1400勝トレーナーは、レース当週に管理馬を追い込むのが通常のルーチン。BCクラシックに出走したシティオブトロイも、本番3日前の10月30日に7ハロンから速めのキャンターを行うと、翌31日にも全速のギャロップで追い切っている。輸送日程の関係で1日ずれてはいるが、今回と同じ臨戦過程。最高峰の技術と豊富な経験で導き出された、必勝パターンだ。
効果はてきめん。伸びやかなフットワーク、全く乱れない息づかい、仕上がりは万全すぎるほど。前日も過不足なく調整したが、トレーナーも「これ以上ないくらい馬の状態には満足している」と言葉に力を込めた。
父ディープインパクトの故郷で迎えるラストランで、レース後の引退お披露目式も正式に発表された。「難しいレースだと知っているし、他の馬が強いのも承知している。だが、最後の花道を飾るのはジャパンCにほかないと思っていた」と、語る指揮官の瞳には静かな闘志が燃えさかる。狙うは1着のみ。決戦まであと2日だ。(角田 晨)
オーギュストロダン 微妙な8番枠もOK
Aオブライエン調教師は事前に「7番から内、3、4、5、6辺りがいいですね」と話していたが、惜しくもひとつ外の枠となった。それでも「どこの枠でも対応はできますよ」と、臆する様子はない。00年テイエムオペラオー以来、勝ち馬の出ていない枠だが、克服は十分可能だ。(東京競馬場)