【キングジョージ・血統分析】スタミナとパワーが要求される舞台…欧州の主流血脈であるサドラーズウェルズ系とダンチヒ系に注目

キングジョージ6世&クイーンエリザベスSに出走するエネイブル(カメラ・高橋 由二)
キングジョージ6世&クイーンエリザベスSに出走するエネイブル(カメラ・高橋 由二)

 小欄ではG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(以下、キングジョージ)について血統面からアプローチしてみたい。過去5年の血統傾向を見ると、3着以内馬15頭のうち10頭がノーザンダンサー系種牡馬の産駒。以下はミスタープロスペクター系が4頭、シャーペンアップ系が1頭という内訳だった。

 プリンスオブウェールズSの際にも記したとおり、舞台となるアスコット競馬場はスタミナとパワーが要求される。この手のタフな勝負では、やはりノーザンダンサー系が優位性を示す。同系の中でも、欧州の主流血脈であるサドラーズウェルズ系とダンチヒ系を上位に取るのがベターだろう。

 2017年に続いて2度目の制覇を狙うエネイブルは、父が2011年のキングジョージ優勝馬ナサニエル。祖父ガリレオも2001年の覇者だから、まさにこのレースでこそ狙うべき血統馬と言える。血統表のとおり、サドラーズウェルズ(1984年2着)の3×2という強力なインブリードが利いていて、エネイブルのパワフルかつ持続性が高い末脚を生み出す原動力のひとつとなっている。

Nathaniel
鹿毛 2008
サドラーズウェルズ系

Galileo
鹿毛 1998
Sadler's Wells
Urban Sea

Magnificient Style
黒鹿毛 1993

Silver Hawk
Mia Karina
Concentric
鹿毛 2004
サドラーズウェルズ系
Sadler's Wells
鹿毛 1981
Northern Dancer
Fairy Bridge
Apogee
鹿毛 1990
Shirley Heights
Bourbon Girl

エネイブル血統表

 ガリレオの産駒も複数エントリーしている。英ダービー馬アンソニーヴァンダイクもその一頭だ。母の父がダンチヒの流れをくむデインヒル系種牡馬エクシードアンドエクセルだから、アンソニーヴァンダイクと同じエイダン・オブライエン厩舎所属で、2016年のキングジョージを制したハイランドリール(父ガリレオ、母の父デインヒル)を想起させる配合となっている。

Galileo
鹿毛 1998
サドラーズウェルズ系

Sadler's Wells
鹿毛 1981
Northern Dancer
Fairy Bridge

Urban Sea
栗毛 1989

Miswaki
Allegretta
Believe'N'succeed
鹿毛 2005
ダンチヒ系
Exceed And Excel
鹿毛 2000
デインヒル
Patrona

Arctic Drift
黒鹿毛 2000

Gone West
November Snow

アンソニーヴァンダイク血統表

 ただし、母ビリーヴンサクシードはオーストラリアの短距離G3勝ち馬で、半姉バウンディング(父ロンロ)はニュージーランド芝1200メートルのG1レイルウェイHに優勝と、母方はスプリント色が強い。持久力が問われるアスコットのコースで、持ち味が生きるかは疑問が残る。

 クリスタルオーシャンは、父が英ダービーや凱旋門賞などG1・6勝を挙げたシーザスターズ。父の産駒はタグルーダが2014年のキングジョージに優勝、クリスタルオーシャン自身も昨年2着と良績を残している。半兄ヒルスター(父デインヒルダンサー)は2013年の3着馬で、キングジョージと同条件のG2キングエドワード7世Sを制覇。母方のアスコット適性も魅力だ。

Sea The Stars
鹿毛 2006
ダンチヒ系

Cape Cross
黒鹿毛 1994
Green Desert
Park Appeal

Urban Sea
栗毛 1989

Miswaki
Allegretta
Crystal Star
栗毛 2000
ミルリーフ系
Mark of Esteem
鹿毛 1993
Darshaan
Homage
Crystal Cavern
栗毛 1992
Be My Guest
Krisalya

クリスタルオーシャン血統表

 デフォーは、父が凱旋門賞馬ダラカニ。ミルリーフ系種牡馬で近年は好走例がないが、2009年の勝ち馬コンデュイット(米G1ブリーダーズCターフ連覇、本邦輸入種牡馬)を出している。

Dalakhani
芦毛 2000
ミルリーフ系

Darshaan
黒鹿毛 1981
Shirley Heights
Delsy
Daltawa
芦毛 1989
Miswaki
Damana
Dulkashe
黒鹿毛 2009
ヌレイエフ系
Pivotal
栗毛 1993
Polar Falcon
Fearless Revival
Saik
Riverman
Close Comfort

デフォー血統表

 ポイントは母の父ピヴォタル。ここのところ母の父にピヴォタルを持つ馬の活躍が目立っており、G1英チャンピオンS連覇のクラックスマン、G1英チャンピオンズフィリーズ&メアズS勝ち馬マジカルなど、アスコットのビッグレース優勝馬も出ている。ちなみに昨年の宝塚記念に勝ったミッキーロケットも母の父はピヴォタルだ。血統的なトレンドを押さえているデフォーの走りにも注目したい。

 ◆成田幸穂(なりた・さちほ) 1984年8月8日、東京生まれ。(株)サラブレッド血統センター所属。週刊競馬ブック連載「海外競馬ニュース」の編集を担当。同誌のほか、南関東版・競馬ブックと研究ニュースで予想コラム「血統アカデミー」を執筆中。ラジオNIKKEI「キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス実況中継」(7月27日23:00~24:00)に出演予定。

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