【秋華賞】アートハウスにかける川田将雅の思い 距離短縮プラスに出たローズSから悲願のG1へ

ローズステークスで川田将雅騎乗のアートハウス(右)がサリエラ(中)の猛追をしのぎ重賞初制覇
ローズステークスで川田将雅騎乗のアートハウス(右)がサリエラ(中)の猛追をしのぎ重賞初制覇

◆第27回秋華賞・G1(10月16日、阪神・芝2000メートル)

 オークスで2番人気に推されながら7着に敗れたアートハウスは、トライアルのローズSをきっちり勝ち切った。調教から前進気勢が強い点がどう転ぶかと見ていたが、好位の馬群でなだめられ、ゴール前で抜け出す王道の競馬だった。オークスも直線に向いた時は抜け出しそうだったが、残り200メートルでいっぱいになった。400メートルの距離短縮がプラスに出た印象だ。

 川田は桜花賞をスターズオンアースで勝ちながら、オークスではアートハウスを選択。当時、「いろんな理由はある中で、僕のパールコードへの思いというのを優先させていただいた」と説明した。母パールコードは16年の秋華賞で半馬身差の2着。その心中には、ずっと引きずるものがあったようだ。「その後も重賞すら取らせることができず、引退になりました。お母さんの代わりにG1馬にしてあげたい」と語った。

 その鞍上がコンタクトした5日の1週前追い切りは栗東・CWコースを単走で4ハロン50秒9―10秒9。一度使ってガス抜きができたのか、落ち着きがあった。福永助手も「レース後に1週間の放牧に出たのが良かったのか、気持ち的にもリフレッシュされた雰囲気にあります。レースまでさらに調子が上向くように調整していきたい」と順調な過程を伝えている。阪神・芝2000メートルは新馬戦と忘れな草賞を勝ったコース。得意の距離と舞台なら、悲願のG1タイトルは手に届くところにある。(玉木 宏征)

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