◆第59回金鯱賞・G2(3月12日、中京・芝2000メートル=良)
第59回金鯱賞・G2は12日、中京競馬場で行われ、1番人気のプログノーシス(川田)が後方から力強い末脚で、逃げたフェーングロッテン(2着)をとらえ、快勝した。重賞初制覇を飾るとともに、大阪杯(4月2日、阪神)の優先出走権を得た。
力強い末脚でプログノーシスが初の重賞タイトルを手に入れた。前半5ハロン通過60秒9とスローな流れで逃げたフェーングロッテンにとっては絶好の流れだったが、メンバー唯一、34秒を切る上がり3ハロン33秒9を繰り出し、外からあっさりねじ伏せる横綱相撲。これで6戦連続の上がり最速をマークした。ただ、内実は厳しい状況を克服しての勝利だった。
課題のスタートは無難に決まったものの、川田は「いい形にならないまま1角に入ったぶん、少し馬にスイッチが入り、力みっぱなしになってしまいました」と冷静に振り返る。さらに「馬場も少し緩く、この馬にはより乾いた馬場の方がいいので多少影響しましたが、なんとか前に出てくれました」と口にしたように、能力全開ではなかった。それでも鞍上のゴーサインにしっかり応えたのは地力強化の証し。この日、騎乗機会4連勝を含む5勝を挙げた川田の手綱さばきも光った。
中内田調教師は「思ったより馬場が緩くなったが、よく勝ち切ってくれた。年齢的にもようやくしっかりしてきました」と、5歳を迎えての始動戦だったディープインパクト産駒のスケールアップに手応え。「状態を見てからですが、もう一つ上のクラスで戦わせてみたい」と続け、いよいよG1の舞台が視野に入る。ただ、コンビで5戦5勝となった相性抜群の川田は、大阪杯でヴェルトライゼンデに騎乗予定。パートナーを含めた今後の動向は気になるが、充実期を迎えた今なら、一気にG1の頂まで登り詰めても不思議ない。(松井 中央)
◆プログノーシス 父ディープインパクト、母ヴェルダ(父オブザーヴァトリー)。栗東・中内田充正厩舎所属の牡5歳。北海道千歳市の社台ファームの生産。通算成績は8戦5勝。総獲得賞金は1億4062万1000円。重賞初勝利。馬主は(有)社台レースホース。