【ダービー卿CT】芝マイル戦で新境地切り開き5歳でついに重賞初制覇 マイル路線に新星

パラレルヴィジョン(手前)がエエヤン(奥)をとらえ、重賞初制覇
パラレルヴィジョン(手前)がエエヤン(奥)をとらえ、重賞初制覇

◆第56回ダービー卿CT・G3

 マイル路線の新星だ。第56回ダービー卿チャレンジトロフィー・G3は30日、中山競馬場の芝1600メートルで行われ、2番人気のパラレルヴィジョンが好位追走から逃げ馬を差し切り、重賞初制覇を飾った。戸崎圭太騎手(43)=美浦・田島厩舎=は昨年に続く連覇。管理する国枝栄調教師(68)=美浦=は同レース単独最多4勝目となった。

 やっと待ちに待った花が咲いた。デビュー前から素質を高く評価されていたパラレルヴィジョンが、5歳の春で重賞初制覇だ。大逃げを打ったエエヤンを目標に直線ではグングンと差を詰めて、最後は3/4馬身差をつけてとらえきった。昨年に続き自身2連覇を飾った戸崎は「届く位置でという感じで進めていた。馬のお陰で感謝しています」と、勝利の喜びに浸った。

 デビュー当初は芝の中距離で走っていたが、初の芝マイル戦だった前走のニューイヤーSに続く2連勝で新境地を切り開いた。課題の詰めの甘さから昨秋はダート戦を経験して白星も挙げていたが、それがウソのような走りっぷりだ。国枝調教師は「真面目に走って理想的な競馬ができた。どっしりしてきたような感じでメンタルの部分が強くなった」と、精神面の成長も功を奏したと笑顔で振り返った。

 国枝師自身は98年のブラックホークをはじめ、ダービー卿CT通算4勝目でレース史上単独トップに躍り出た。今後は芝のマイル路線での活躍が期待される同馬について、「そういう路線が見えてくるよね。重賞を取れたのはよかった」とうなずいた。名伯楽の視線は、さらなる大舞台を見据えていた。(坂本 達洋)

 パラレルヴィジョン 父キズナ、母アールブリュット(父マクフィ)。美浦・国枝栄厩舎所属の牡5歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算13戦6勝。総獲得賞金は1億3588万8000円。重賞初勝利。馬主は(有)キャロットファーム。

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