【オークス】「距離延長が追い風」東京2400メートル得意血統のあの馬が本命…大上賢一郎の見解

ステレンボッシュ(カメラ・荒牧 徹)
ステレンボッシュ(カメラ・荒牧 徹)

 【東京11R・オークス】NHKマイルCのアスコリピチェーノ(2着)に続き、ヴィクトリアマイルのマスクトディーヴァ(3着)も残り400メートル過ぎで進路を失い万事休す。本命馬が全力を出し切れなかった映像を繰り返し見るのはシンドイものだが、自分なりの補正をかけながら一頭一頭のレースぶりを評価しておくことが次の的中につながる―。そう考えて、地道に復習作業を続けている。

 ステレンボッシュが本命。1分32秒6のレースレコードで決着した昨年暮れの阪神JF(2着)は、直線でインに切り替えるロスがありながら最後の600メートルはNO1(33秒5)。1分32秒2と、さらに時計を詰めた桜花賞では3着ライトバック(32秒8)、4着スウィープフィート(33秒0)に次ぐ上がり3位(33秒4)も、ゴールまで他馬にかわされる感じは皆無だった。

 過去5戦のパトロールビデオをチェックすると、敗れた2戦においてもゴール入線後、すぐに先頭に立っていることに気づく。前走にいたっては、ゴール後の“加速”にカメラが一瞬、所在を見失うほど。1600メートルでは走り足らないと言わんばかりの姿に潤沢なスタミナが垣間見えた。

 もちろん血統的な裏付けもある。父のエピファネイアは日本ダービー2着シンボリクリスエスとオークス馬シーザリオの配合。自身もダービー2着、ジャパンC優勝と持続的なスピードを要求される東京の2400メートルをめっぽう得意としていた。3代母ウインドインハーヘアは言わずと知れたディープインパクトの母。菊花賞4着ドゥラドーレス、次週のダービーに挑むレガレイラなど、心肺機能に優れた中長距離型を輩出している一族だけに、3歳牝馬には過酷な一気の800メートルの距離延長にも耐えうる素地は確実に備わっている。

 逃げ、好位から早めスパート、後方待機から差し脚に懸ける組。脚質がはっきりしているメンバー構成のなか、中団追走から自力で前を捕まえにいく展開もいい。決して衰えることのない息の長い末脚で先頭に立ち、後続を突き放して2冠達成のシーンがイメージできる。

穴はホーエリート

 5年連続で2ケタ人気馬が3着以内に割り込んでいる波乱傾向の一戦。過去10年で2位の好時計を記録したフラワーCで2着だったホーエリートを大穴の使者に指名する。序盤に折り合いを欠いたうえ終始外、外を回されながら、直線で差し込んでの2着は価値が高い。持久力勝負で一気に浮上する。馬連(7)―(13)(12)(8)(5)(1)(17)(14)(2)。

◆元気いっぱい ○…史上18頭目の牝馬クラシック2冠に挑むステレンボッシュは18日、茨城・美浦トレーニングセンターで最終調整を行った。Eダートコースを軽く流した後、坂路に移動して800メートル66秒9―15秒7。弾むようなフットワークで駆け上がった。国枝調教師は「元気いっぱいで何ら問題はない。あとは極端に暑くならなければいいね。(戸崎)圭太がうまく乗ってくれたら」と少ない言葉の中に自信をにじませた。

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