【北九州記念】昨年の夏短距離王が王座防衛へ上昇 時計は地味でも団野大成騎手「手応えよかった」

昨年同様に夏のスプリント王を目指すジャスパークローネ
昨年同様に夏のスプリント王を目指すジャスパークローネ

◆北九州記念追い切り(27日・栗東トレセン)

 2重賞の出走馬が27日、確定した。サマースプリントシリーズ第2戦の第59回北九州記念・G3(30日、小倉)は、昨年Vからシリーズ王者になったジャスパークローネが栗東・坂路で木曜追い。時計は控えめでも中身の濃い内容をヤマタケ(山本武志)記者が「見た」。

 栗東・坂路で53秒8。普通の馬が行った当週追いなら水準の時計だが、ジャスパークローネは違う。3歳時には49秒4と破格の時計を出すなど、超がつくほどの調教駆けホース。正直、地味だ。

 しかし、2週連続で騎乗した団野の歯切れが実にいい。「先週はいつもに比べると…、という中で時計が出た(51秒2)。今週は速い時計はいらない中で手応えはよかった。メンタルも落ち着いていました」。見ているだけの我々は数字に目を奪われがちだが、主戦は手綱越しに上昇気配を感じていた。確かにほとんど馬なりのまま、ピタリと息の合った状態で駆け上がった姿に仕上がりのよさが伝わった。

 昨年サマースプリントシリーズで優勝。函館スプリントS(16着)を使って酷暑の栗東に戻ってからも、在厩調整を続けCBC賞と、このレースを連勝した。厳しい気候に打ち勝てたのは、強じんな精神力が影響しているのだろう。

 昨秋から今春まで海外4場を転戦。今春の2戦で騎乗した団野は「向こうでも物おじせず、普段から元気。過程がすごくよかった」と振り返る。一方、この日の追い切り前や発走前のゲート内で鳴いたりするなどヤンチャな面も。普段から活気に満ちあふれており、暑さでへこたれる姿は想像しづらい。

 ハンデは昨年から1・5キロ増の58・5キロとなるが、今回はスピードが生かしやすい開幕週。高野助手は「理想は行き切りたい。ピークとはいかないまでも、力をつけていますから。今年もサマースプリントが目標です」と王座防衛を見据える。様々な経験を積み、再び迎える得意の季節。今年も極上の輝きを放つ予感がする。(山本 武志)

 ◆ジャスパークローネの23年サマースプリントシリーズ 初戦の函館スプリントSは16着と大敗したが、中2週で臨んだ第2戦CBC賞を逃げ切り重賞初制覇。第4戦の北九州記念もハナを切って押し切った。3戦計21ポイント獲得。2位のテイエムスパーダに7ポイント差をつけてシリーズ王者に輝いた。

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