【京都大賞典】デビュー30戦目で初タイトル!8番人気の6歳馬が3連単141万円超の大波乱の主役に

重賞初制覇を果たしたシュヴァリエローズ(カメラ・義村 治子)
重賞初制覇を果たしたシュヴァリエローズ(カメラ・義村 治子)

◆第59回京都大賞典・G2(10月6日、京都競馬場・芝2400メートル、良)

 東西で6日、伝統のG2が行われ、3連単141万円超の大波乱となった第59回京都大賞典(京都)は8番人気のシュヴァリエローズが重賞初V。長距離で開花した通算30戦目の6歳馬が、ついにタイトルをつかみ、天皇賞・秋・G1(27日、東京)の優先出走権を獲得した。

 最後の最後まで力を振り絞った。シュヴァリエローズが北村友の左ムチに応え、力強く伸び続けた。先に抜け出したディープボンドに馬体を併せると、もうひと伸び。頭差とらえ、重賞初制覇のゴールを駆け抜けた。「最後は接戦でしたが、頭差出て良かった。僕の馬もしぶといし、幸さんの馬もしぶとい。いいレースができた」と北村友も充実の汗をぬぐった。

 長距離、持久力勝負への適性を示した。デビューから2000メートル以下を使われてきたが、転機は3走前。京都記念で初距離の2200メートルを克服し4着と上位争いに加わると前走の目黒記念は2着。「(距離が)長い方がゆっくりと運べて脚がたまるんでしょうね」と清水久調教師は分析した。

 逃げたケイアイサンデラが刻んだ前半1000メートルは、58秒7とこの距離としては速めのラップ。道中は中団に待機し、京都コース特有の下り坂の始まる残り4ハロンから1ハロン11秒台が並んだ高速決着にも対応した。8番人気と伏兵に甘んじていたが、脱落していくライバルを横目に抜群の適性が生きた形。「坂を下っていくときも手応えが良かった。この馬らしく、しぶとく伸びてくれた」と鞍上もパートナーの頑張りをたたえた。

 6歳秋。デビュー30戦目、重賞9度目の挑戦でタイトルをつかんだ“たたき上げ”。次走は未定だが、同距離のジャパンC(11月24日、東京)などが視野に入る。「いい意味で(勝ち)癖がついてくれれば。まだ楽しみ」と今後の飛躍を期待したトレーナー。2年9か月ぶりの白星を号砲に、さらなる高みを目指す。(戸田 和彦)

 ◆シュヴァリエローズ 父ディープインパクト、母ヴィアンローズ(父セーヴルローズ)。栗東・清水久詞厩舎所属の牡6歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算30戦4勝。総獲得賞金は2億1967万3000円。重賞初勝利。馬主は(有)キャロットファーム。

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