天皇賞・秋は2019年にアーモンドアイが勝って以降、顕著な傾向が生まれた。ノーザンファームの生産馬のうち外厩施設がノーザンファーム天栄牧場の馬が、春シーズンからの直行で5年連続勝利。うち4年はアーモンドアイ、イクイノックスのため、歴史的な名馬だからという見方もできるが、同牧場が休み明けでも結果を出すノウハウを積み重ねてきた結果でもある。今年のメンバーではレーベンスティール1頭。3着内の残り2頭をあぶり出すのが今年のアプローチとなる。
19年以降に3着内に入った馬を世代別に見ると、19年4歳2頭→20年5歳2頭。22年3歳2頭→23年4歳2頭と、2頭以上の3着内馬を出した世代が、翌年も2頭を3着内に送り出している。昨年は4歳2頭が3着内に入っており、今年は5歳世代が該当する。ジャスティンパレス、ダノンベルーガ、ドウデュースの昨年出走組に加え、キングズパレス、マテンロウスカイの5頭のうち、2頭もしくは最低1頭は馬券圏内に絡むとみる。
ここに過去のデータから3着内馬に該当している以下のフィルターを掛ける。
〈1〉近1年でG1での連対かG2以上の勝利か東京競馬場でG3以上の勝利
〈2〉前走G2以上
〈3〉前走4角通過順が10番手以内(ノーザンファーム生産馬を除く)
該当するのはドウデュースとマテンロウスカイ。配当妙味を考えると、推したいのはマテンロウスカイとなる。
前残りだった前走の毎日王冠は切れ負けしての8着だが、今年は海外に初挑戦したドバイ・ターフ15着以外は崩れていない。父のモーリス、母の父スペシャルウィークが本レースの勝ち馬。祖母の父はトニービンで、直子の産駒であるカンパニーとトーセンジョーダンが勝利。母の父としては3着にはのべ4頭が計5回入った。イクイノックスの祖母の父でもあり、本レースと相性の良い血統だ。
近親のデルタブルースは2004年の菊花賞を勝ち、2006年メルボルンCで日本調教馬初制覇を成し遂げた。今月4日、23歳で生涯を終えたが、ぐっと秋が深まってきた時期に輝きを放って不思議ない一族ではある。7番人気で勝利した中山記念同様、先行策を取れれば面白い。(編集委員・小松 雄大)